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彩雲国物語 4〜6
古代中国をモデルにした少女向けファンタジー小説。初の女性官吏となった主人公の少女・紅秀麗が、地方豪族の力が強く中央の統制の及ばない茶州の知事に任命され、豪族や盗賊団の妨害を受けながらも無事就任するまでを描いた上下巻と、ちょっと時間を遡った短編三本。

だんだん飽きてきた。作品の質は良くも悪くも保たれているのだが、もともとの大味さにちょっとうんざりしてきた。良いと思ったプロットもご都合主義が強すぎて安直に思えてきた。特に6巻の短編集の出来がひどい。

登場人物の能力が軒並み高いのはまだなんとか我慢できるのだが、二巻から出ている浪燕青というキャラクタの特性がぶっ壊れていて、今回の茶州編ではさらに優れたところを見せている。私はこの物語を楽しむ上でこの浪燕青というキャラについて深く考えないことにしている。あまりに不自然で、作者か主人公の甘えの対象になっているように思う。気持ち悪い。

この物語のテーマの一つは「依存」だ。拾われた子が養父母を慕う気持ち、幼い頃に助けてもらった人への恩、互いに助け合いもたれあう友。現代の淡白な人間関係において、互いに依存し合うことの素晴らしさを描いているところはこの作品の優れたところであり、私も読んでいてうっとりすることがある。ただ、それが行き過ぎて空回りしているように感じるのは、読者の私があまりに淡白だからという理由だけではないと思う。

本作で一番よく出来たキャラは李絳攸だと思う。同年代で一番の秀才で鉄壁の理性を持つとされるが、気心の知れた友人相手にはすぐぶち切れ、極度の方向音痴で武術も人並み程度、養父を慕い養父のために働くが、養父に愛されるあまり突き放され自由にやれと言われて落ち込む。こんないいキャラを作っておいて延々放置する作者の考えが分からない。

毀誉褒貶で訳が分からない評になってしまった。

もし私が女だったらまた評価が変わってくると思う。あまたの美男子から自分が容姿からではなく性格で慕われるが、恋がまだよく分からず戸惑いながら相手を拒み、世のため人のためにキャリアを積もうと努力し認められていく主人公。本を読む女性読者層に夢を見させてくれることが本シリーズの人気の理由だろう。
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