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ちくろ幼稚園
主人公の幼稚園児りえちゃんの、かわいさとずるさと外道さ加減の入り混じった日常を描いた四コママンガ作品。

最近大々的に本を整理した。でも本はなかなか捨てられない。そんな中で捨てる踏ん切りのついた数少ない本の一つが西原理恵子「まあじゃん放浪記」だった。そしてこの「ちくろ幼稚園」も捨てられるんじゃないかと思ってもう一度読み返してみた。

主人公りえちゃんの、おとうとくん(赤ちゃん)へのいじめがひどすぎる。そんな外道なりえちゃんに対する中川くんのベタ惚れがありえない+気の毒。

と思って昔は読んでいた。しかし作者は安易な小手先のオチとしてこういうのを書いているだけではなく、結構本気で書いているのが伝わってくるような気がする。

兄弟姉妹間って結構ひどいやりとりなんか普通にある。作者もこういう子供の残酷さを身をもって経験していて、過去の傷がこんな形で表現されているんじゃないだろうか。作者が痛々しいというだけでなく、私自身もチクチクくる。あえてこういうものを表現しようという作者の創造性に少し敬意を覚える。

でもやっぱり読んでいて不快だし、それほど完成度が高いわけでもない。下劣な品性が作品中のそこかしこに転がっている。うんこを喜ぶ子供のレベルを超えて、シャレにならない笑いを作っている。でもこのタブー破りな感じが「ふーん」で終わってしまうようになってくる。「いつまでそんなウンコウンコ言ってんの」みたいな。一言で言えば、大して面白くない。

うーん。それでもまだ捨てる決心がつくところまで行かないな。困った。
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