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カールじいさんの空飛ぶ家
妻と一緒にいつか南米の秘境にあるという幻の滝を探検しようと若い頃に誓い合ったカールじいさんだったが、日々の生活に追われて先延ばしにしているうちに妻に先立たれて失意のどん底に落ちてしまう。やけになったじいさんは、ついに自分の商売道具である風船を家に大量にくくりつけ、まさかの家ごと空を飛んで南米へと旅立つ。3DCGアニメーション長編映画。

「トイ・ストーリー」「モンスターズインク」「ファインディング・ニモ」などで知られるディズニーのピクサーによる十作目の作品らしい。

知り合いが頬をカピカピにするほど泣いたというから気になって十五年ぶりに映画館に行って観てみた。本当に泣けた。特にカールじいさんが旅立つに至るまでの鬱展開が感動的。カールじいさんの若い頃の結婚生活の希望と絶望がほとんど台詞なく情景だけで語られるところが絶品だった。この部分だけでも絶対に見る価値がある。

ただ、旅立ってからは割と普通の子供向けアクション映画になる。子供を一人同伴して旅立つのだけど、この子供が抱える問題の描き方もそこそこ良かったと思う。クライマックスでカールじいさんの心の問題も解決し、子供の物語にもちゃんと結末がつけられ、最後しんみりしたラストシーンで終わるところまで、本当によく出来た映画だなあと思った。逆に言えば映画の造りについて考察してしまうほど少々露骨な感じもしたということなのだけど。

3Dメガネで観たのだけど、この映画に関しては別に3Dじゃなくてもいいと思った。むしろ序盤の動きのあるシーンだと3Dのせいで秒間コマ数が落ちてるのか非常に見にくかった。それ以外の落ち着いたシーンはそれなりに迫力があって良かった。でも露骨に飛び出すシーンとかは期待せず、あくまで自然な表現にとどまっている。

3DCGがキレイだった。独特のデフォルメが愛らしい。普通3DCGを使うとモデリングであんまり角っぽくしないようにするものだと思うけど、あえてわざと四角というか台形というかオーバルなモデリングをしていてセンスを感じた。人物も味があって良かった。妻の子供時代から若い頃や老けてからと全年代で魅力的に思えた。もちろんカールじいさんも渋くていいw あんな苦みばしった表情のおじいさんをよく主人公にしたなあと賞賛を通り越して不思議な思いがする。

ストーリーは明快なのだけど、一点だけ、なぜカールじいさんたちが命を狙われるのか、あんまり必然性を感じずに唐突に思えた。あと、同伴した少年のがんばり具合も、きわどい境遇描写の割に真に迫ってこなかった。観る側の感受性の問題もあるのかも。

クサい人情モノと子供向けアクション映画が嫌いな人には勧められないけど、そうじゃないなら観て損のない素晴らしい作品だと思う。

でも二千円以上払って映画館に見に行かなくても、ピクサーの次回作が出来たらプロモでテレビ放映されそうな気はする。

ところで私が見に行ったのはTOHOシネマズ府中だったのだけど、独特の味があるヘタウマ系CGアニメ「秘密結社鷹の爪」のキャラを使って映画の注意事項なんかを伝えていてウケた。

にしても、映画ってのはひさびさに行くといいもんだ。もちろん、面白い作品でなければダメだけど。
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