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J One
スマートフォン用のOSとして現在世界で圧倒的なシェアを持っているAndroid OSを搭載したスマートフォンを世界で初めて発売した台湾HTCによる2013年のフラッグシップ機Oneの、auとの共同開発で日本市場に合わせて多少改良されたバージョン。

前年に出たフラッグシップ機Butterflyの日本版は、ハイエンドなスマートフォンとして素晴らしい完成度を誇り、実際かなり売れたらしい。Androidは市場では圧倒的なシェアを占めるものの、OSとしての完成度はAppleのiOSに劣り、特に操作に対する反応が鈍くてぎこちなかったが、バージョンが上がるにつれて徐々に機敏になっていき、チューニング次第ではiOSと比べてもそんなに劣らなくなってきた。その着実に進化を遂げたAndroid OSを搭載した後継機が、2013年の夏に売り出されたこのJ Oneなのだった。

自分はまだ発売して間もない2013年7月に、なぜか新宿のヤマダ電機でMNP一括0円だったので契約した。ちなみにこのときソニーのXperia Z(auでの型番はSOL22)も同じく0円だったが、自分は以前HTCのAriaを使っていてその完成度に惚れていたし、世界的に見てもスマートフォンの世界ではソニーよりもHTCのほうが評価が高いことを知っていたので、迷うことなくこのHTC J Oneを選んだのだった。

正直第一印象はあんまりよくなかった。こいつはとても音質のいいステレオスピーカーを搭載していて、はっきりいってスマートフォンの常識を覆すほど音がいいのでびっくりするのだけど、なにせスピーカーが大きくて本体全体のデザインにも大きな影響を与えているので、ちょっと不恰好な感じがする。やぼったい。まったくの私見なのだけど、このデザインの悪さが、後述する売れ行きの悪かった一番の原因だと思う。ちゃんとこのスピーカーの配置に意味があるのだということを店頭デモでアピールできていれば、もっと売れたんじゃないかなと思う。

発売当初はAndroid OSのバージョン4.1が搭載され、のちにバージョンアップで4.2にすることもできるようになった。4.1は4.0と比べて動作が軽いし、それは4.2にも引き継がれているので文句ない。画面はフルハイビジョンの解像度を持っているにも関わらず、ブラウザやビューアで画面をスクロールさせてもほとんど引っかかることなく動かすことができる。SamsungのS3やS4 なんかも動作が俊敏なのだけど、ときどき引っかかることがあって微妙にイライラするのと比べると、このJ Oneはまったく引っかからないわけではないけれどほとんど引っかからないので使っていて気持ちがいい。これはチューニングが大きいと思う。たぶん俊敏性で言えばSamsungのほうが上なのだけど、このJ Oneはわざと微妙に動作を鈍くする代わりに最低限の動きを保証しているのだと思う。いわばSamsungがピーク性能を重視しているのに対して、HTCはボトム性能を重視しているのだと思う。人間工学的にはHTCのほうが正しいと思う。このチューニングにより、自分の中ではAndroidがiOSとようやく比較できるレベルにまで反応速度が高まったと思う。さすがにまだiOSの指が吸い付くようなほどの反応の良さには及ばないながらも。

すでにスピーカーの音の良さについては言ったけれど、ヘッドフォンのほうも音がいい。あのbeats by dr.dreと提携しており、独自のフィルタで音を補正している。十万ぐらいするヘッドフォンを普段使っている自分でも、まあこれぐらい音が良ければ十分かと思った。自分の感覚だと、iPhone 5に良いヘッドフォンを挿すほうが音が良いんじゃないかと思ったけれど、通勤中に聞くならそんなに大した違いはないように思った。

パソコンと同期するためのソフトウェアは、iPhoneの音楽を管理するソフトiTunesからそのまま曲をインポートできる仕組みを持っているので楽だった。それなりの機能を持っているようだけど、例によってちょっと小回りが利かない感じがした。自分の場合、まずソニーのX-アプリで取り込んだ曲をiTunesにも入れるので、それをそのままこのHTCのアプリに入れられるから文句なかった。でもちょっと使ってみた感じでは、とてもX-アプリやiTunesの代替にはなりえなかった。

ボディは金属製でズシリと重い。iPhoneも金属製だけど、このJ Oneは本体が大きいので結構重量感がある。正直これはちょっとマイナスだと思う。金属は高級感があって見た目も良いのだけど冷たいし、他の機器とぶつけると傷をつけやすいという欠点がある。J Oneをスーツの内ポケットに入れていたときにうっかりiPhoneも内ポケットに入れようとしてポケットの中でぶつけてしまい、J Oneの画面に傷をつけてしまった(光の加減によりかろうじて見えるような小さな傷だけれど)。その点、SamsungのS3やS4はプラスチックでちょっと安っぽくて指紋も目立つが、柔らかくて曲面が豊かで手触りがいいし軽くて扱いやすいのでいい。

このように全般的に素晴らしい出来ばえで当時最強のAndroid機と言っても言いすぎでなく、アンケートやネット上の評価でもそれは証明されているのだけれど、残念ながら製造上の問題があって評価を下げてしまっている。なかでも一番大きいのは紫カメラと呼ばれる現象で、夜間に写真を撮影すると画面全体が紫色がかってしまう個体があるらしい。ほかにも裏蓋がうまくハマらないとか色々報告されている。私はなんとこのJ Oneを三台持っているのだけど、そのうちの一台はカメラのレンズの内部に指紋のようなものがついていた。分解しないと取れない。交換してもらおうと思ったけれど、ためしに写真を撮ってじっくり見てみても特に問題ないので諦めて使っている。修理は台湾でしかやっていないみたいで三週間ぐらい掛かるとのこと。HTCは世界最先端の電子機器メーカーだが、基礎的な製造能力や品質管理能力に欠けていたのだろう。この問題と関係あるのかどうか知らないが、経営幹部や基幹技術者が去年次々と抜けていって会社として危ないらしい。

auはこの端末を仕入れすぎたのか、2013年9月あたりから本格的に投売りを始め、テレビコマーシャルで剛力彩芽や宮崎駿などに持たせて宣伝したものの期待どおりには売れず、一括0円に留まらずキャッシュバックまでつけてばら撒いていたが、なお驚くべきことにいまだに在庫が吐けていないようで、2014年1月にはキャッシュバックが最高で8万まで行った店もあるらしい。端末自体も乱高下したもののいまだに二万円以上では売れるみたいなので、携帯電話の契約を転がして儲けている人々の懐を暖かくしているらしい。

J Oneはau専用なのでドコモなどの他社のSIMとサービスは使えないが、rootをとればSIMフリー機にすることもできるらしい。自分はキャッシュバック目当てで契約して三台手元にあるので、リスクを承知で一台ぐらいためしにrootとってSIMフリーにしてみようかと思ったけれど、なんだか面倒くさいしドコモの遅い回線で使ってもしょうがないのでやっていない。

台湾HTCは現在日本のキャリアの中ではauでしか端末を出していない。ドコモとはかつて出していたものの喧嘩別れしたらしい。auも今後HTCと縁を切るという噂を聞いた。こんなにいい端末なのに。製造上の不良の問題があまりに大きかったのだろうか?でもいま調べてみたらauからまた出るという情報もあった。それにドコモからも出るのではないかとも言われている。韓国Samsungの一強になってしまうと面白くないので応援したい。Samsungは台湾で卑怯なマーケティングでHTCの評判を貶めようとしてバレて敗訴しているし、いわゆる「従軍慰安婦」問題の工作にも出資しているらしいので、なるべくなら使いたくない。でも投げ売りしてくれるなら喜んで買うよw
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