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SE-80PCI
国産オーディオブランドとして有名な ONKYO が作ったパソコン用サウンドカードの廉価版。オーディオらしく、ミニプラグではなく RCA 金メッキ端子で接続するようになっているほか、ノイズがかなり少ないことをうたっている。

ファイナルファンタジーXI があまりに面白く、週末は丸一日やっているので、いつまでもオンボードの質の悪いサウンドで音を聴いていていいのか、と衝動買いした一品。

いきなり感想を言うと、確かにオンボードのサウンド機能より音がいいことは分かったが、ほかにこれといった比較の対象がないのでよくわからなかった。一応比較可能な Edirol UA-3 という USB オーディオと比較してみたが、やる気ゼロなので MP3 128bps の宇多田ヒカルの曲でちょっと聞きくらべてみて、あーよくわからんなー、というのが正直なところ。

これを導入してからしばらくの間、マシンが不安定になった。三四回ほど連続で、Windows 2000 の起動画面でハングアップした。このカードの上位版の SE-120PCI が ASUS の一部マザーとめちゃめちゃ相性が悪く、ASUS の BIOS に問題があると同社自身が認めて新たな BIOS を用意したほどだ。そんでもって私のマザーも ASUS だったので、ひさしぶりに BIOS が更新されていることに気づいてバージョンアップしてみた。ついでに、搭載チップメーカーのリファレンスドライバをダウンロードしてきて入れてみた。それ以来目立った症状は出ていないが、まだ日が浅いのでなんともいえない。ただ、起動画面でハングアップしていたときも、リセットボタンで再起動をかけたあとは問題なく確実に立ち上がったため、BIOS に原因があったと考えるのは自然だ。

上位版の SE-120PCI は発売が古いため、SE-80PCI の方が音がクリアらしい。ただし、SE-80PCI は光入力を持たないなど、インタフェースが単純化されている。それでもアナログライン入出力、それに光出力二つが装備されている。アナログライン入出力さえあれば、テープデッキや MD デッキと同じようにアンプに接続できる。あとの入力はアンプに任せればいいのだ。こういう割り切った考えはさすがオーディオメーカーだ。光出力が二つというのも、DVD と MD の両方をつなぎかえなくてよくて便利だという声をきいた。

このカードのユニークなところは、なんとマスターボリュームをスルーするのがデフォルトなのだ。マスターボリュームの API を通すと音質が劣化するからなのだそうだ。スルーの状態だと、ボリュームつまみを上下させても何の変化もない。Wave のつまみを上下させて調節することは可能だ。さらに、ライン入力もデフォルトでは遮断されている。これも余計なノイズを拾わないためなのだそうだ。これに気づかずに故障じゃないかと質問する人が多数いた。スルーはオーディオ機器として常識的な機能だし、よくぞここまでやってくれたと私は言いたい。この機能が余計だと思うのであれば、このカードを買う必要はない。

ほかに重要な点として、アナログCD入力がない。古い CD-ROM ドライブで、デジタル再生が不可能なドライブだと、CD の音楽を聴くにはライン入力になんとかつながなければならないので注意。

ここから先は風聞になる。

調べてみると、ONKYO はドライバの出来がかなり悪いらしい。カノープスにドライバを作らせろ、いやいっそカノープスブランドで、とむちゃくちゃなことが 2ちゃんねるで話題になっていた。

批判は主に、上位版の SE-120PCI に集まっていた。この上位版は、SE-80PCI にいくらか先立って発売されていたもので、社内でドライバを開発したらしい。ところが SE-80PCI は、リファレンスドライバをそのまま製品版に添付しているらしい。このへんはさすがに考え改めたのだろう。搭載されているのは ESS の Maestro 3i というチップで、DELL のマシンにも採用されていたりするらしい。

私はファイナルファンタジーXI でしか遊んでいないのだが、いわゆるゲーム系のサウンド API 特に DirectSound のハードウェア系の効果にドライバが対応していないらしい。ソフトウェアエミュレーションになるので速度が落ちるとかどこかで読んだ。だから、効果音バリバリの最近のアクションゲームとくに Unreal Tournament なんかの撃ち合いゲームには、SoundBlaster Live! や Augidy なんかの定番がいいらしい。一方で、純粋に音楽を楽しむのであれば、SE-80PCI は廉価なのに音がいいと評価が高い。ただしあくまで廉価版なので、高級機向けの規格にはドライバが対応していないそうだ。

私のマシンはうるさいので、いくら SN比110dbの低ノイズを実現!と言われたところで意味がないのだが、一応アンプとスピーカーが合わせて十万円くらいなせいか、そこそこいい音を出してくれている。ただし、SN比というのは実はそんなに意味がなくて、Edirol UA-3 はSN比が90未満らしいのだが、感覚的な音のクリアさからすれば UA-3 のほうが上だった。ただしあくまで感覚的なものなので、音のバランスやイコライジングや味が大きいのかもしれない。

デュアル CPU での動作は保証してくれていない。私が現在使っている限り特に問題は起きていない。USB オーディオが悲鳴もといノイズをあげた 3D バリバリのファイナルファンタジーXI でも、まったく問題なく鳴ってくれている。一回だけ、すごい音を立ててハングアップしたときがあったが、いまのところそれ一回きりだし、BIOS もドライバも更新する前の話だ。ちょっとしたトラブルがある可能性は否定しきれないが、起きたとしてもおそらく解決できるだろう。

私がこのデバイスを勧めるかといえば、私のように一応ピュアオーディオなアンプとスピーカーを用意している人は少ないだろうし、なによりパソコン自体のあげる大きな騒音で音質は台無しになるので、ここまでいいカードは必要ないと思う。静音マシンに凝っている人で、ミニコンポまたは一万円以上のアクティブスピーカーを使っている人は、考慮に値する選択ではあるだろう。USB オーディオの方が音はいいかもしれないのだが、USB オーディオは安定性が低いので、現時点では問題が起こりやすいことを頭に入れておくと、このカードでもいいと思う。

ちなみにこれよりもっといい音が欲しければ、五千円くらいの光出力を備えたサウンドカードに、数万円の DAC を接続するのがよいそうだ。三万四万くらいでそれなりの DAC が手に入るらしい。

この SE-80PCI は実質九千円くらいで手に入るので、割と気軽に買える。これ以下のものになると、海外メーカーの英語のぺらぺらマニュアルしかついていない廉価版になる。音は大して変わらないからいいやと割り切れるならそれでもいいが、お金に余裕があるのなら、これくらいのものは買ってもいいと思う。事実上の定番 SoundBlaster Live! は相性問題がもっと激しいし、Augidy は高いのだ。とはいっても、Yamaha の YMF7xx系チップを積んだ二三千円くらいのカードでもそこそこいい音が出るので、べつにそっちに流れてもいいんじゃないの、ってところが弱いところ。
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