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やがて君になる 2巻まで
高校に入学したばかりの少女・小糸侑はまだ恋を知らず、周りの恋する少女たちのことをちょっと羨ましいと思いつつも冷めた目で見ていた。そして生徒会の手伝いで出会った二年生の優等生・七海燈子もまた、数多く告白を受けながら誰のことも特別に思えなかったのだが、目の前で感情をあらわにする小糸侑のことを好きになってしまう。好意をぶつけてくるようになった燈子のことを侑は戸惑いながらも受け入れていくが…。百合マンガ。

なにかのアニメのコマーシャルでついでにこの作品が宣伝されていたのが気になって手を出してみた。面白かった。

ヒロインの少女・小糸侑がクールなのがいい。恋を知らない自分のことを未熟だとは思っていて、仕方がないと冷めているものの、ちょっと憧れている。そんな彼女の感情は、急に自分に甘えてくるようになった一つ年上の優等生・燈子と触れ合うことでますます研ぎ澄まされていく。自分は一向に人を好きになれそうにないのに、目の前で自分のことを好きだという同性の先輩をずっと冷静に見ている。しかもその先輩は才色兼備なのだ。侑にとってはなんだかわけのわからない世界に放り込まれたようなものだと思う。

なぜ燈子が侑に出会う前は誰のことも好きになれなかったのかというと、周囲の人々が彼女のことを特別視し、一方的な関心を向けてきたからなのだった。そんな中で侑だけが燈子のことを何とも思っていなかったばかりか、侑が見知らぬ男の子からの告白に対して携帯電話で断りの返事をして揺れるのを目の当たりにし、燈子は恋に落ちる。これ名シーンだと思う。ここで書かないほうがよかったかな。

侑は燈子と触れ合っていくうちに、彼女のことを好きになれるんじゃないかと思うようになり、ほんの少しだけ好きになったかなと思ったりもする。しかし一方で自分が彼女のことを好きになったら、彼女にとって自分は「彼女を特別視する有象無象の一人」に成り下がってしまい、彼女の自分への恋心は雲散霧消してしまうのではないかというささやかな不安も抱くようになる。

一方で燈子には佐伯沙弥香という無二の親友がいた。侑の出現によって二人の関係に揺らぎが生じる。いまのところ三人がそれぞれ気を使っているおかげでうまくいっているが、このままにはならなさそうな予感が漂っている。

まあまだ既刊二巻だからこのへんまでしかストーリーがないのだけど、とても緻密で新しく、作者のデビュー作とは思えない完成度だと思う。一方でちょっと理屈っぽすぎるんじゃないのかと気になる。あと、侑と燈子の会話が二人の世界すぎてよく分からないところがあった。

この作品の魅力は、好きという気持ちの尊さをちょっと斜めの角度から描いていることだと思う。人を好きになれない侑だからこそ、惚れた腫れたと言う人たちの活き活きとした表情や振る舞いが特別に見える。そして侑にこれから芽生えるかもしれない恋愛感情もまた尊く感じられるんだと思う。

ちょっとレビューするのが早かったかもしれない。これからもっと面白くなりそうな作品を早めにチェックしたいという百合好きの人に勧めておく。
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