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iSeries ノーマルBOXトップ
アメリカの大手寝具メーカーSerta(サータ)ブランドで日本のドリームベッドが作っているマットレスのうち、iSeriesというジェル層とポケットコイルで体を支えるシリーズの一番標準的なモデル。安いベッドでよく使われているような面のバネではなく、円筒形の小さなバネを数百個敷き詰めた上に、ウレタンよりもしっとりと体になじむ特殊なジェル層で覆っており、自然に体にフィットするのが特徴。

自分は十年ちょいウォーターベッドを愛用してきたのだけど、そろそろ耐用年数がきそうで水漏れが怖かったので買い替えを考えていたところ、御徒町の多慶屋が企画する家具販売イベントが東京ドームシティの催事場で開かれるという案内が来たので、行って沢山のベッドに実際に寝っ転がってみて選んだのがこれ。セミダブルサイズで定価の三割引きで13万5千円ぐらいだった。買ってから何年か経つのだけど、さっきテレビ朝日「アメトーク」の特番を見ていたら丁度コマーシャルをやっていたのでレビューすることにした。

実際に寝てみたとき、ジェルの感触がすごく良かったので、最終的に他の製品と迷うことはなかった。一方で、ジェルベッドといってウォーターベッドの水の代わりに扱いやすいジェルを入れたベッドがあるのだけど、こいつはそれとは違ってあくまでマットレスを構成する複数の層の一つにジェルが入っているだけ。

ウォーターベッドで十年以上寝てみた結論として、水だけで体を支えるとどうしても腰が沈み込んでしまう違和感を払拭できなかった。人間にとってどの姿勢が一番楽なのかというと、たぶん完全なあおむけではなくて、確か横向きで微妙に腰を曲げた感じの姿勢が一番良いと言われていた覚えがある。でも横向きだと重力で下にくる部位に負担が掛かるし、たぶん腰についても無駄な力が掛かっていないことが重要なのであって、まっすぐだろうと曲げていようと関係ないのではないかと思った。実際、腰が水に沈み込んで自然に腰が曲がったほうが楽なのかと思いきや、ついつい姿勢をまっすぐにしようと体全体に不自然な力が入ってしまうことがあった。また、腰を曲げて寝るのに慣れてしまうと、床に寝るのが逆に違和感あって寝付けないという贅沢病にもかかってしまった。

そんなわけで、体に余計な力が掛からないまっすぐな姿勢が自分にとって一番いいんじゃないかと思った。そして、きっちり一直線に姿勢を保つよう体重を支えつつ体の形に合わせてフィットするには、水とかジェルとかだけではなくてどうしても複数の素材が必要なのだ。姿勢を数百個のポケットコイル(バネ)で柔軟に支えつつ、ジェルとウレタンで体の細かい形に合わせて支える。という理屈は買ったあとで調べているうちに知ったことなので、全部後付けなのだった。

冒頭でちょっと書いたとおり、こいつは日本のドリームベッドというメーカーがライセンス生産している。アメリカには通称3Sと呼ばれる三大寝具メーカーがあって、たぶん一番有名な高級ブランドのシモンズと、ニトリでも扱っているシーリー、そしてホテルでのシェアNo.1のこのサータが一角を占めている。そんな大手メーカーの名前を表に出してライセンス生産すると、当然ブランド使用料を払わなければならない。だったらドリームベッド自身のブランドで生産されたベッドのほうが安いに決まっている。普通だったら自分は名よりも実を取るのでドリームベッドの似たようなモデルを探すところなのだけど、このジェルメモリーフォームを使っているのはサータブランドの製品だけだった。

寝心地を文章で表現するのは難しいのだけど、寒天培地の上に寝っ転がったらこんな感じなんじゃないだろうかと思う(?)。高級ベッドというと、オノマトペでは「フカフカ」という表現がまず来ると思うのだけど、柔らかすぎるベッドはずっと寝ていると疲れるし最悪腰を痛める。というのも体が落ち着かないからだ。体が沈み込まず一直線なのにしっかりと体の凹凸に合わせてマットレスが反発してくるので不思議と快適な感じがする。

後日、このマットレスを気に入った母親が自分にも買ってくれと言ってきたので、同じモデルを買おうとしたのだけど、マットレスがとても分厚くて床からの位置が高くなりすぎて降りるときに危険だと言い出したので、ちょっと薄いiSeriesスリムスイート49 20Gというモデルにした。PSサイズ(ほぼシングル)で8万円だった。こっちでも独特のジェル感を感じることが出来たけれど、やっぱりノーマルBOXトップのほうがしっとり感が上だった。そこに三万ぐらいの価値の差を見出せるかどうかは人それぞれだと思うけれど、自分はノーマルBOXトップを選んでよかったと思った。ちなみにノーマルBOXトップよりも上のモデルもあるのだけど、展示販売会で実際に寝っ転がってみた限りでは余計な層が増えただけのように思えていまいちピンとこなかったし、結構値段の差があったのでまったく迷わなかった。

ひょっとしたら知らない人がいるかもしれないのでベッドの基本的なことについて軽く説明すると、ベッドというのはフレームとマットレスで構成されている。フレームが文字通り木枠で、土台や脚や背もたれ(?)なんかで構成されており、その上にマットレスを置くようになっている。ちなみに家具屋的にはマットレスよりもフレームのほうが利幅が大きいみたいなので、たぶんマットレスだけ買うとちょっと嫌がられると思う。まあ知ったこっちゃないんだけど。フレームは寝心地には一切関係がないし。

マットレスの買い方としてネットの受け売りを言うと、まず実際に寝っ転がってみること。個人個人の好みの問題が大きいので、スペックはあまりあてにならない。それに、たとえば自分は硬めのほうがいいということが分かっていても、どういう風に硬いのか色々あるので、試してみないと分からない。そのためにはなるべく品ぞろえがいい店や展示販売会がよい。土地の安い郊外の店とか、大阪の枚方家具団地みたいに店が集まっているところだろうか。御徒町の多慶屋はイベントじゃなくてもそれなりに品ぞろえがあったけれどちょっと狭かった。東京の府中の島忠はホームセンターだけど家具売り場は思ったより広かった。

次に、デパートや小さい家具屋なんかだと定価販売だったりあまり値引いてくれないので、特に高いものを買う場合はできれば三割ぐらい引いてくれるところで買うこと。前言を無視するようだけど通販もあり、前述の大阪の枚方家具団地にある新井家具は見積もりだけ頼んだら定価の35%引きだった。ただ、ちょうど自分が買いたかったモデルがホームページ上では定価ではなく「売価」で表示されていて、てっきりそこから35%引きになるのかと思っていたら定価はもっと高くてなんと上位モデルよりも高く設定されていたため、途端に信用できなくなってしまった。上位モデルと比べてどこか優れている点があるのかと質問したけれど、メーカーの売り方や小売店の利幅のとりかたがどうのという説明しかしてくれなかった(でもまあ要は定価のつけかたにもメーカーの戦略で色々あるということらしい)。結局、住賓館という四国の家具屋さんのページを見て、たまたま欲しかったモデルのバーゲンをやっていて新井家具より一割ほど安かったのでそっちで買った。新井家具は店長ブログが面白くて参考になるし担当者もフレンドリーな感じだったけれど大阪人らしくちょっとなれなれしい感じがした。一方の住賓館はブログも担当者も堅苦しいけれど実直な感じがした。

新井家具のページにもあるように、国内ブランドのほうが安いし基本的にモノは同じようなものなので、今回の自分のように海外ブランドのモデルにしかない機能が欲しいのでなければ国内ブランドの製品を買うほうがいいと思う。ただ、ニトリで売っているシーリーはそれほど割高ではなくモノも悪くないとネットで言われており、ニトリならどこにでもありそうだから検討してもいいと思う。

これを買ってからも色々とベッドについて調べているうちに、電動ベッドにも興味が湧いてきた。冬場はベッドの中で読書したりスマホをいじったりしたいのだけど、平らなベッドの上だと姿勢に困る。その点、電動ベッドだと背もたれを作ることが出来るので長時間本を読んだりスマホをいじったりする姿勢をとりやすい。まあ実際に使ってみないとなんともいえないんだろうけれど、欲しくなってしまった。でも専用のマットレスを買いなおさないといけない。何を買うにも十分な下調べをしておいたほうがいいという教訓を改めて得た。

人間、一日の1/3から1/4ぐらいは寝具を使っているので、ここに十万二十万と使うのも悪くないんじゃないだろうか。特に安いパイプベッドとマットレスで寝ている人は、検討してみてはどうだろうか。
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