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クローズアップ現代+「ウサギの彫刻に100億円!?現代アート高騰の舞台裏」
現代美術作品の価値は、アーティストや作品だけでなくギャラリー、学芸員、評論家、メディア、コレクターといった関係者による共同作業によって成り立っているのだということを、ステンレスで作られたウサギの彫刻に100億円もの値段がついた例などで紹介し解説した短いドキュメンタリー番組。

以前ピカソの作品に高い値段がつくからくりを解説した西岡文彦「ピカソは本当に偉いのか?」(新潮新書)を読んでこの手の話はある程度知っていたけれど、最近はもっと進んでいるのかと思って気になって見てみた。ちょっと考えさせられた。

この番組で伝えたかったであろうことを自分なりにまとめると、現代アートの価値は悪く言うと関係者の間ででっち上げていくものなんだということ。良く言うと数十年先に遺す価値をいまから用意しているのだということ。そして日本はこの活動において世界から遅れており、アーティストが海外へ流出していっていること。そこで文化庁ががんばって日本の現代アートを世界へ宣伝するための音頭を取っているらしい。

番組自体は非常に分かりやすかった。

番組とは関係なく自分が思ったのは、もう現代アートというものは滅びていくんだろうなということ。パトロン(スポンサー)がいる限り存続し続けるだろうけれど、大多数の人から無視されている。アーティストたちからも見放されているんじゃないだろうか。何かのでっちあげやきまぐれでつくような価値を求めて活動したいと思うだろうか?

アートの定義にもよるけれど、いまの芸術の本流は一点ものではなくて複製されるものだと思う。マンガや映画やゲームみたいに。どれだけ多くの人の手にわたったかが芸術的価値となるんじゃないだろうか。そういうものはアートじゃないと専門家は言うだろうけど、普遍的な意味でのアートはもうこっちのほうだと思う。

もし自分が大金持ちだったら、若手マンガ家を育てる活動をすると思う。生原稿という一点ものも手に入るし。あー、いまはデジタルか(笑)。いまだったらアニメ関係にもっと出資すればいいのにと思う。この番組で紹介された現代アートのやりかたを見習ってエコシステムを作れないんだろうか。最近ようやくアニメ業界の景気が良くなってきたのは、海外に売って儲かる仕組みが出来たからだけど、国内に関してはまだまだ非常にお寒い限りで、やはり日本はこういうのダメなんだなと思う。作品を証券化するというのは結局うまくいかなかったんだろうか。

ただ、アニメの実写化はあれだけひどい内容でも経済的に成功している。アイドルや俳優、芸能事務所、制作会社、広告代理店、テレビ局、スポンサーといった関係者がうまいこと共同作業したからだと思う。正直クソみたいなシステムで文化をおとしめているとしか思えないのだけど、視聴者が番組の内容よりも出演者の魅力に惹かれている以上これが正解なんだと思う。

番組ではあいかわらずファイナルファンタジーシリーズに出てきそうな外見をした慶大教授の宮田裕章がコメントしていた。この人、見識が広いし頭の回転も速いのでテレビのコメンテーターには最適なんだろうけど、言っている内容は専門家と比べると浅いし時間を埋めている程度の無難なことばっかりなので必要ないと思う。番組の結論みたいなまとめを外注しているだけなんだったりして。

数十年たってから、いまの日本で生まれた芸術を紹介するとしたらいったい何を挙げるだろうか?自分はアニメやゲーム、マンガや小説だと思う。現代アートとやらを挙げる人はいったいどれだけいるのだろう。
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