世界を制した中小企業 |
日本を代表する優れた企業は大企業だけではない。私たちが聞いたことのないような中小企業が、特定の分野でシェアナンバーワンだったりオンリーワンとして世界をリードしている。そんな優れた中小企業をざっと紹介した本。
目の付け所が非常にいい。この本を読む前から私の耳には日本の中小企業が優れているということが伝わってきたが、それのもとをたどるとこの作者にたどり着いたりするんだろうか。調べてないので分からない。
だが書き方が非常にいまいちなのだ。自らのカテゴライズに酔っている。さっさと企業紹介を始めればいいのに、あえて具体的な企業の名前を伏せて、これこれこういう企業がこの分類に入る、と延々ダラダラやっている。おまけにそのカテゴライズが分かりにくい上に、作者自身分類に困っていることが伺える。自分が発掘してきた素材を大事にしたい気持ちは分かるが、そういうものを惜しげも無く読者の興味を引く形でサラリと書いていくことが、物書きというものじゃないだろうか。
紹介内容も物の見方が単純であきれる。外注すれば安くなるが品質が下がる、という記述が何度もある。さも当たり前のように書いているのだが、そもそもこの本で紹介している中小企業には、大企業からも認められた優れた外注先となっている企業が多く出てくる。
せっかく魅力的な中小企業が取り上げられ紹介されているのに、紹介者である作者の器が小さいばかりに、非常にもったいないことになっている。
それでも一つ一つの企業のなりたちが面白いので、この本はまあ普通に面白い本ではある。
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