| きみは四葉のクローバー 1巻 |
小学生のころ何かと自分のことを気にかけてくれていた人気者の宇一と離れ離れになってしまった女の子よつはは、高校生になって彼のもとに再びやってきたが、彼は学校でいじめられ家族にも振り回されすっかり暗くなっていた。実は彼女は彼のことを助けるために戻ってきたのだった。青年マンガ。
よく見ているまとめサイトの広告に一時期この作品がよく出ていて、緑味を帯びて描かれる少女の姿がとても印象的だったので一体どんな作品なんだろうと興味を持ち読んでみた。うーん、って感じだった。
小学生の頃あれだけキラキラしていた宇一が、いまはひどくやつれているという姿がいきなり描かれる。そんな彼に対してよつはは底抜けに明るく振舞い、空気も読めない感じで彼のことを体当たりで励ましていく。彼に抱きついたり体を触らせたりする。それでも彼の気持ちは簡単には浮上しないんだけど、彼はほのかに希望を抱いて良い方向へと向かっていく。
よつはの腕には四葉のクローバーの絵が描いてある腕時計のようなものがはめられていた。どうやら彼女はその謎の道具を使って彼のことを助けに来たらしい。彼女の記憶の中には死に装束を着て棺桶に入っている宇一の姿があることから、時間遡行してきたことがほのめかされている。
その後よつはは、学校でいじめられ家族に振り回されている彼のことを、まるでこれから彼の身にどんな不幸が起こるのか正確に知っているかのように巧みに行動し回避していく。なんだろう。読者の求める快感をストレートに与えようとするかのような、最近よくあるタイプの作品でうんざりした。
宇一がなぜこんな状況に陥ったのか。この状況から脱出するためにどうするのか。そういったことがほとんど描かれず、ただただよつはが救済していく。そこになにかしらの彼の意志や成長が描かれることはなく、ただ無気力な宇一がはかなく喜びを感じているだけだった。
一方のよつはは、かつて自分に寄り添い励ましてくれた宇一のことを助けたいという強い意志が描かれていてとてもかわいかったんだけど、やってることが頭パッパラパーすぎていまいち感情移入できなかった。っていうかこれギャグマンガなんじゃないかと思う。
たぶんこれはこういうエンタメ作品であり、一生懸命なヒロインを見て尊いと思ったり笑いとばしたりしていくのが正しい読み方なんだと思うんだけど、自分にはそういった楽しみ方は無理みたいだった。
たとえば強くてかわいい女の子が活躍する作品が好きだからといって、よくわからない敵を殴り飛ばしていって時々ニッコリ笑う女の子を見せられても全然楽しめない。もっとちゃんとした理由づけが欲しい。
彼らを阻む人々の悪意があまりに作為的すぎる。勉強のできる宇一へのクラスメイトの嫉妬とか、うまくいかない自分の人生の八つ当たりをしてくる母親みたいなものがフワッとしすぎていて感情移入できなかった。もっと身近に感じられるよう解像度を上げてほしかった。
一方でこの作品がうまいなと思ったのは、よつはがこれだけ積極的な好意を見せても、気持ちの沈み切った宇一にとっては自分の命を守ってくれるほのかな温かみぐらいにしか感じとれていないことだろうか。たぶん宇一がまともな感情を取り戻すぐらい回復していたら興ざめだったと思う。
自分はよつはみたいな女の子に全面的にヨシヨシされたいとはまったく思わないんだけど、いろんなものにうちのめされている現代の人間にとってはこれぐらいの女神が求められているのかもしれない。
そんなわけでこういう新感覚ラブコメを楽しめるかどうか挑戦してみたい人は読んでみるといいと思う。
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