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29歳独身中堅冒険者の日常 6巻まで
スラム育ちの孤児だったハジメは冒険者として実績を積んだあとで一線を退き、村付きの冒険者として一人で活動を始めた。結婚もせず29歳になっていた彼は、ひとりぼっちの小さな女の子リルイがダンジョンで苦戦しているのを見て放っておけなくなる。ファンタジーマンガ。

今年アニメ化される前にこの原作マンガをちょっと読んでいたんだけど、なぜか途中で読むのをやめていた。アニメも結局4話ぐらいでキャラ描写の雑さにイラッときて見るのをやめてしまった。そういえばマンガのほうはどうして読むのをやめてしまったんだろうと思い、もう一度読み返してみたらなんとなく理由がわかった。

この作品の特徴は、なんといってもまず独身男性が小さな女の子を拾って計らずも育てていくこと。冒険者として人並みにやっていけると思っていた女の子リルイが、いろいろやってみてできなくてとまどったりくやしがったりして、それをハジメがしかたなくフォローするようになる。ちょっとずついろんなところが違うけどファンタジー版あずまきよひこ「よつばと!」って感じがした。

主人公の名前がシノノメ・ハジメと日本人っぽいんだけど、転生者ではなくてそういう世界のハイファンタジーだった。なんとなく日本人っぽい外見とふるまいはするけれど、日本人っぽいアイデンティティは持っていないようだった。ついでに言うとこの作品は小説投稿サイトに書かれた作品が原作ではなくて、このマンガ自体がオリジナル作品だった。

女の子リルイは実は古代種のサキュバス(夢魔・淫魔)で、夜に短時間だけ大人の体になる。この設定が意味不明だった。おませさんであることが体に出てきているとかそんなとこなんだろうか。精神はまったくもってガキんちょなんだけど。

リルイの一番かわいいところは、一生懸命役に立って見せようとするところだろうか。自分がハジメの負担になっていることが徐々にわかってきて、それでも全面的に甘えようとせずに歯を食いしばって努力する。ハジメはそんなリルイを見てますます見捨てられなくなっていく。

リルイはハジメのことを自分の父親代わりとは思っていなくて、かといって恋人とも思っていないくせに、他の誰かがハジメと仲良くしようとすると自分のものであることをアピールしてそれ以上親しくならないようクギを刺す。この関係性はなんなんだろう。たぶんエディプスコンプレックス的なものではないと思う。

ハジメは幼少期のトラウマのためか女性との距離感を掴むのが苦手で、超ド直球のセクハラをかましてよく女性に嫌われる。自分はこういうのどちらかというとおもしろいと感じたけれど、現代の基準からすると完全にアウトだし、相手のことも考えると素直には笑えなかった。たぶん手を出すべきときに出さなかったことを相手から責められたことがトラウマなんだと思う。自分が読んだ中ではまだ語られていなかったけど。

リルイ以外にも他に子供としてドワーフの少女アニャンゴや、鶏獣人の女の子コッコなんかが出てきて、時々リルイとケンカしたりもしながら仲良くやっていく。もちろんなんだかんだでハジメは全員の面倒を見ることになる。

大人のキャラもいっぱい出てきて、娼館を経営している女友達的なポジションのヴェロニカとその従者のM男性リシャット、ギルド職員の女性オリーヴ、宿屋の娘ナタリーとその父親モーラン、アニャンゴを育ててくれた祖母などがいる。

ドワーフの少女アニャンゴは自分が一人前になったところを早く祖母に見せたいと思っている。コッコも自分の父親がバカにされるのを許せないと思っている。小さい子たちが小さいなりに自分の意志を持っていて一生懸命なのがよかった。

世界観が独特で、絵本みたいなファンタジー世界が描かれている。でっかいスズメが森の中でチュンチュンさえずっていたり、巨大なクジラが空を飛んでいたりする。リルイの魔術特性を調べるための試練(?)としてさらに幻想的な空間に入って冒険したり、リルイの古代種としての夢魔の力により夢の中の世界が描かれたりする。

少しだけ現代的な要素もあって、商店街のくじ引きに当たってなぜか南の島へ観光旅行に出かける回もあった。こういうのが好きな人にとってはたまらないと思うけれど、自分はあまりこういうものを求めていなかったので適当に読み進めた。

たまに厳しい現実も見せつけてくるけれど、全体的にやさしい世界って感じがした。自分はこの世界がそれほど嫌いではなかったけれど、読んでいくうちに物足りなさを感じるようになっていった。

良くも悪くも日常系なのでメインストーリーがないし、長期連載を狙ってるのか登場人物の関係性もまったく進まなかった。そういえばリルイが魔術師としての能力がちょっとずつ開花していったり、ダンジョンで拾った装備でパワーアップしたり、師匠を見つけてやろうとする展開はあった。

絵はちょっと荒いけど幼女も成女もかわいかったし、男連中もそれぞれ個性があってよかった。

「よつばと!」ほど楽しめなかったのはどうしてだろう。ジャンボみたいに幼女にいじられる男性キャラや、やんだみたいに幼女をからかってくる男性キャラ、それぞれ年齢と性格が異なる個性的な三姉妹など、もっといろいろとキャラが出てきていたら違ってたんだろうか。

日常系ファンタジーで幼女を愛でる作品を楽しめそうなら読んでみるといいと思う。
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