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ツンデレ
ツンデレという言葉が流行っている。ツンツンデレデレの略で、普段はツンツンしているが好きな人の前ではデレデレする想像上の女の子のことである。皮肉って想像上のと言ってみたが、実際に存在しないこともないだろう。だがそれは主に世の男が想像する一つの幻想であるということになっている。

最近、谷川流「涼宮ハルヒの憂鬱」というヒロインが超ツンデレな作品を読み、私自身ツンデレ好みだということが改めて自覚できた。さてこのトレンドというのはどこから来るのか、少し考えてみたところ思い当たることがあった。それは、小学生の頃だ。

よっぽど性格に問題のある人でない限り、小学生の頃に異性と喧嘩したことぐらいはあるだろう。モテないオタクでも小学生の頃は異性との接触があったに違いない。その後、中学生以降になると、特に女の子は性格を変えて喧嘩っ早くはなくなり、いわゆる恋愛の文化に則ったつきあいになる。いやこれは付き合うとかいう話をしているのではなく、互いに単なる友達同士だとしても、それなりのつつしみをもって、まあ言葉の応酬もあろうがそれなりに意識されたものに留まるとか、そういうことを言っている。歯切れが悪くて申し訳ない。

つまり私の仮説は、ツンデレブームとは小学生の頃の特にオタクたちの体験に根ざしているのだということだ。こんな女いるわけねーと茶化す人は多いだろうが、誰だって小学生の頃にまでさかのぼれば、自分が異性と喧嘩をした思い出に当たるというわけだ。こういう広い基盤を持った文化こそ、流行になりやすいと言えるのではないだろうか。デレデレの分は想像で補ってやる必要があるわけだが。

さてツンデレとは一般に女の子に対して使う言葉ではあるが、これを男の子に当てはめてみると、当たり前の少女漫画のヒーローになってしまうことに気づく。なんだ、女の子の持っている幻想のほうがずっと早くからツンデレに傾いていたのか。そういう意味では、少女漫画の方法論をオタク文化に持ち込んだのがツンデレなのだという位置づけもできる。それはそれで悪くはない。
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