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アメリカの「第2独立戦争」
イギリスにとって有利な地政学とは何かということから、その状態を作って維持するための戦略をイギリスがとってきたとして、明治維新の頃からのイギリスと世界の動きを説明した分析記事。アメリカはそんなイギリスに動かされてきたと作者は言い、アメリカのここ最近の動きはイギリスから第二の独立を果たすためのものであると言っている。

イギリスの立地から、大陸を封じ込める戦略が生まれた。日本は大陸の周辺にまるでイギリスのような状態に位置しているからイギリスにとって同盟国とすべき対象だったらしい。明治維新の元勲たちはイギリス留学組が揃っており、その後の日本がイギリスの戦略に組み込まれていく。

イギリスの戦略通りに日本はロシアの南下を阻止し、満州に確固たる拠点を築き、ロシアの動きを止めた。しかし、イギリスはアメリカを引き込むために、日本を敵方にしてしまう。そんなこんなでドイツとフランスとロシアを戦わせ、アメリカに救援に来させて、イギリスは自国を守った。ここまでが第二次世界大戦だ。

戦後アメリカは多極主義をとろうとし、再びヨーロッパは多国間でしのぎを削る状態に戻るかにみえたが、冷戦が起きてアメリカとソビエトににらみ合った。この状態を作り出したのはイギリスなのだと作者は言っている。イギリスの人脈の影響を受けたアメリカがとった戦略なのだそうだ。イギリスはアメリカの下について利益を得ている。ここ最近のイギリスの戦略は、アメリカにやらせたテロとの戦争だ。

アメリカが自滅したがっていると分析する作者の新しい結論(仮説)として、アメリカはイギリスの戦略から逃れようとしているのではないかということが導かれたのだ。

新しい結論はなるほどこれまでの歴史をうまく説明できていて面白いのだが、従来の結論であるパワーゲームの主体に言及した資本家の論理はどう位置づけられるのだろうか。

最新稿「ウォール街と中国」では、世界の多極化こそが、資本の増殖にとって都合のいいことであると言っている。

あとちょっとで霧が晴れそうな統一理論のようなものが掴めそうな気がする。日本はどうすべきなのか。日本の一介の労働者である私自身は何を望めばいいのか。そんなことを考えさせられた。
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