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PM-770C
EPSON のインクジェットプリンタ。買った当初は A4 では一番性能のよい 1440dpi×720dpi で、34,800円した。

同メーカーのデジタルカメラ CP-800 と一緒に買った。デジカメで撮った写真を、特別な紙にインクジェットプリンタで印刷すると、まるで写真のようが画質になる点に心引かれた。店頭にあった印刷例は本当にキレイで、家でやってみても同じくらいキレイだった。技術の進歩を感じて喜んだ。

しかし次々と現実が分かってきた。まず、インクと紙のランニングコストが高い。写真画質で印字するには、20枚で千円くらいする紙を買わなければならなかった。それからカラー印字用のインクも高価で、結局 A4 一枚を印刷するのに 80円以上掛かったような気がする。今でも売られている PM-890C では 27.4円/枚 だと書いてあるが、なんと用紙コストがこの中に含まれていない。用紙は一枚 50円くらいするのだから、やはり 80円くらいは掛かるのだ。

まあそれでも、写真画質で、しかもパソコンで好きなように加工したものを印刷できるのだから、80円かかろうともそのくらいは仕方がない。しかし現在、私の家にあるこのプリンタは機能していない。インクヘッドが目詰まりを起こして、五色あるうちの一色が全然でないのだ。おかげでカラー印刷しても全然変な色になってしまう。インクの目詰まりをクリーニングする機能もあるので試してみたが、何度やっても元に戻らなかった。

まあ壊れた理由は想像がつく。インクジェット方式というのは、小さい小さい穴からインクを空気で押し出すので、その小さい穴がなんらかの理由でふさがってしまったのだろう。現在は一色丸々出ないのだが、それ以前から一つの色で一行分印刷が抜ける症状が出ていて、カラー印刷すると全体に線のようなものがうっすらと出ていた。

説明書には、目詰まりをふせぐために、事細かに注意が書いてある。私は一応それらを守って使おうとはしたのだが、インク交換時の注意で、シールをはがしてから装填するところをシールをそのままにして装填してしまってあわててやりなおしたりした。多分、こういう微妙なことで調子を悪くしていったのだと思う。シールの説明書きは私にとっては非常に不親切なものだった。

というわけで、私にとっては、インクジェットプリンタというのはインクの目詰まりとは切り離せないものだという印象が強い。もう金輪際、高価なモデルは買わないと決意した。廉価なモデルでいつ壊れてもいいくらいに考えておいたほうがよいのではないかと思う。

ただし、逆に高級な機種を買うという選択肢もある。なぜなら、メーカーはインクなどの消耗品で利益をあげているからだ。つまり、我々が長く使えば使うほどメーカーが儲かる仕組みになっていて、インクを買わないうちにプリンタ本体が壊れるのはメーカーの利益にそんなに貢献しないようなのである。現にラインナップと価格表を見てみると、性能ほどにそんなに大した値段の差はない。

インクには注意したほうがいい。機種ごとに違うインクだったりする。あまり古い機種を買うと、古い機種専用のインクが品薄で手に入りづらくて気を使うからである。今はどうかしらないが、私がこのプリンタを買ったときは、技術がどんどん伸びていた頃だったので、インクの粒の粒子が後続機種に従ってどんどん細かくなっていったようである。特にこの機種は最新だったので、これより安いものや一世代前の機種のインクが使えなかった。マイナーなメーカーのものを買うのも入手が面倒で困るだろう。

何かを印刷したいな、と思うたびにこの壊れたプリンタを思い出し、腹立たしさがつのる。
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