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スーパーマリオサンシャイン
ピーチ姫と南国のドルピック島にバカンスに来たおなじみのヒゲオヤジ我らがマリオだったが、そこでは巨大な筆でいたずら書きをしまくるニセマリオが暴れていて、濡れ衣を着せられることになった。マリオは不思議なポンプの力を借りて落書きを消しつつニセマリオを追う。日本のコンピュータゲーム史上もっとも有名なアクションゲームシリーズのゲームキューブで出たのがこれ。

前作スーパーマリオ64で3D化した流れを受け継いで本作も3Dアクションになっているが、おなじみの敵を踏み潰したり上から突き上げたりする動きは抑え目になり、代わりにポンプで水を飛ばすことが主体となっている。3Dだと上下感覚が希薄なのでこのバランスは良いと思った。

ポンプはアナログスティックで好きな方向に水を飛ばせるほか、下に向けて飛ばすことでホバーといって一定時間空中に浮かぶことも出来る。不確実なジャンプの要素を和らげてこれまたいいバランスだ。展開が進むとロケットといって垂直に大ジャンプするモードや、すごい速度で移動できるモードにもできるようになる。

ゲームの目的は最初はニセマリオを捕まえることだが、途中でピーチ姫がさらわれるので結局おなじみ大魔王クッパを倒すことになる。クッパのところに行くには各マップでニセマリオを倒さなければならない。各マップへはドルピック島を探索すれば入り口が見つかる。各マップは複数のステージに分かれており、同じフィールドマップだが微妙に配置が異なっており、クリア条件も全部違っている。最低限ステージ7をクリアすればニセマリオを捕まえるという条件を満たすことができる。つまり7つのマップで7つのステージをクリアすればクッパと戦うステージに行けるので、50ステージクリアすればいい。ただ、マニア向けにさらにステージが用意されており、合計120個分のシャイン(1ステージクリアに相当)をゲットできるようになっている。

水の表現が美しい。ゲームキューブで出たゼルダの伝説風のタクトでも海が舞台で波の表現が素晴らしかったので、任天堂はゲームキューブでは水をテーマにしていたのだろうか。ポンプからほとばしった水は、壁や床に当たってはじけ、地面に落ちて土にしみこんだりする。

3Dフィールドでドンパチ以外のアクションゲームのさきがけとなった(?)前作からの進化として、3Dに適したアクション要素が増えたように思う。しかしどうしても操作に納得がいかないことがたびたびあった。特に顕著だったのが遊園地のステージのそれも裏手の金網を登るところだ。金網に張り付くための条件がよく分からず、とても理不尽に感じた。その他、色々な箇所で大なり小なり自分の思いとは違った動きと結果が生じた。

これは操作感だけの話ではなくて、ゲームバランスといったトータルな面でも悪いと思う。せっかくポンプのおかげで操作感もバランスも良くなっているのに、積み木細工のような特殊ステージではそのポンプが奪われ、一歩足を踏み外すと奈落に落ちる道をそろそろと進んでいかなくてはならない。この作品にはゲームの神様こと宮本茂が関与していないのではないかとさえ思える。難易度の高さが問題なのではなく、習熟性が低くて時に理不尽さを感じてしまうのが何よりの問題ではないだろうか。

一言で言うと、イライラする。

単品のゲームとして見れば傑作なのだが、任天堂の看板シリーズとしてのレベルには達していないのではないだろうか。色々なものを詰め込めるだけ詰め込んでいる点はとても素晴らしいのだが、これはどちらかというと挑戦者側の姿勢に近いのではないか。開発者たちが世代交代でもしたのだろうか。

ゲーム好きなら外せない一本なのだが、そうでなければスルーしても良いと思う。ゼルダと比較して大きく落ちる。
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