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「仮」という字は旧字体では「假」と書くらしい。

暇、霞、瑕、といった漢字はそのままなのだが、なぜか假だけ仮という字になってしまった。その理由は、原稿を手書きする人たちが略して仮と書いていたからだそうだ。印刷されるときには写植屋さんが假とするにも関わらず。

高島俊男「漢字と日本人」(文春新書)のまえがきに、以上のような話があった。

日本語の戦後の当用漢字は、略されかたに法則性がないらしい。さらには、朝日新聞社が勝手に、漢字はこうあるべきだと文部省に逆らって独自の字を使っているから、なおのこと混乱している。その点、我々から見ると非常に気味の悪い(失礼)中国語の簡体字、つまり中華人民共和国で使われている文字というのは、ちゃんときっちりした法則性でもって略されているため、容易にもとの字が分かるらしい。
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