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24 -TWENTY FOUR- シーズン1
アメリカの黒人大統領候補がテロリストに命を狙われていることを掴んだカウンターテロ組織CTUの捜査官ジャック・バウアーが、CTU内部に裏切り者がいると聞かされ疑心暗鬼の中で捜査を行うが、その裏にはかつてジャックが関わったある任務が関係していた。一話一時間で全24話がリアルタイムで進行し、丸一日の中で何度も視聴者を裏切る転回があり、日本でも話題になったアメリカの人気テレビドラマの第一シリーズ。

散々色んなメディアで取り上げられ、日本で韓流ブームのあとにプリズンブレイクなどの海外ドラマブームの火付け役となった作品。正直、作られたブームのような感じがして敬遠していたのだけど、一応流行りものなので一つぐらい見ておこうと思って見てみた。

結論からいうと、それなりに面白くはあった。しかしそんなに引き込まれなかった。全24話のうち最初の導入部がまず退屈だった。いくつかの話が平行して進んでいき、途中でそれぞれが交叉するのだけど、それぞれの話がそんなに魅力に感じなかった。物語は途中でクライマックスを迎えてそのあたりはとても楽しめたが、そこからの展開がダラダラしていて、無理やり盛り上げるかのような取ってつけたような出来事を一応楽しみはしたが多少うんざりさせられた。

観た人にだけ分かり観てない人にはネタバレにならないよう説明しよう。

まず序盤、会計士が入れ替わっていたことの理由が成り立っていないと思う。拉致が目的だったとしても、もっとスマートな方法があっただろう。いたずらに視聴者を驚かせるような演出が露骨なように思えて引いた。

議員の暗殺を止めようとするクライマックスが過ぎたあと、主人公の捜査官ジャックが家族を取り戻すための戦いを始めるのだが、この家族が助かったと思ったら捕まったり、死んだと思ったら生きていたりまた捕まったりと、展開に節操がなさすぎる。それでいてラストを無理やり衝撃的にしようとして首を傾げたくなるような筋書きにしている。

黒幕の登場がしらける。財界の大物を追うところは良かったと思うのだけど、テロリストグループの全容が明らかになっていくにつれて魅力が色あせていった。

黒人大統領候補一家の物語がどうしても茶番に思えてならなかった。それなりに考えられていて悪くない筋書きだとは思ったのだけど、どうもベタに思えてならなかった。アメリカの作品は配役のバランスを取るために黒人を使うとその部分が微妙に甘くなるように思えてならない。

なんか色々ちまちまと批判的なことを書いてきたが、好ましく思えるような点もいくつかあった。まさかという出来事が、アメリカの映像作品の常識らしきものを越えたレベルで起こる。視聴者はこんな展開を望んでいないだろうと心配になるようなことまで起きて予想を裏切ってくれる。こんなの興行的にも悪影響だろうと思えるような展開も臆せずにやってしまったところは素直にすごいと思った。特に最終話には驚かされた。やらないほうがよかったんじゃないかと思わなくもないけど、この作品に関して言えば賭けには勝ったんだと思う。

人同士の不和で作戦が思うように行かないなんていう展開もリアルな感じがして緊迫感があってよかった。

一話が実質40分、合計で16時間もの視聴を余裕を持って出来る人であれば、見てみる価値はあると思う。あんまり時間がない人なら手を出さなくてもいいかも。普通に一本二時間程度の映画を八本観たほうがいい。いくら作品の出来が悪くないとは言え、テレビシリーズなのだから。
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