NFLの「アメリカンボウル」はサーカスにすぎない |
日本スポーツ界を超辛口で批判するマーティ・キーナートが、アメリカ国民の間で熱狂的に受け入れられているアメリカン・フットボールを日本にも根付かせるために NFL が日本で興行しているオープン戦を、極めて冷めた目で見ている、なんとなく珍しい文章。
マーティ・キーナートと言えば、ことあるごとに、あるいは細かいことを掘り起こしてまで、日本のスポーツの現状についてアメリカと比較していちいちケチをつけてきたという印象がある。まあその指摘はもっともなものも多く、耳が痛い。たとえば、アメリカではスポーツのできる場所には大抵シャワー室があるらしいし、医療もしっかりしているらしい。
そんなマーティ・キーナートだから、アメリカで大人気のアメリカン・フットボールがなぜ世界に広まらないのかを、スポーツ後進国と言わんばかりの日本に対しても文句を言ってくるのかと思ったら、ぜんぜん違った。
彼は 20年以上も前に日本でアメリカン・フットボールの解説とかもやっていたらしく、複雑なルールを解説するときに日本の放送関係者から「とにかくシンプルに解説してください」と言われても、アメリカン・フットボールが根付いていないのだから仕方がない、根付かないのは NFL のやり方が悪い、と言っている。しまいには、題名どおり、NFL の日本での興行はサーカスに過ぎない、と斬って捨てている。
批評作家というのは、言っていることが正しければそれでいいはずなのだが、題材の取り方が偏っているとケチつけているとしか思えなくなるのではないかと思う。日本のスポーツ界を憂えてくれる姿勢自体はいいのだが、ときどきやはり故国の批判とかもやってほしい。という意味で今回の記事は悪くなかった。
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