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金融入門
日本経済新聞を発行している会社が金融についての入門本としてまとめた本。

金融について私はこれまでいくつかの本を読んできてさすがにいまさら入門というのもないのだと思ったのだけど、何か基本的なことを落としていないか気になったので改めて勉強しなおすつもりで、いかにも定番というツラのこの本を買ってみた。

いやーこれが見事に中身が薄いというか、新聞で日々報道されているような内容をまとめた感じで、こんなものに新書で千円という値段をつけるなんて殿様商売だよなあと思った。

なーんて偉そうなことを言っておきながら、政策金利とか短資の役割が初めて分かったw 短資なんていうたった一日のお金の貸し借りに何の意味があるんだろうと不思議に思ったまま放置していた。それぞれの銀行が日本銀行と取引をするために口座に一定以上の預金をしておかなければならないのだけど、そんな利息のつかない口座にたった半日でも預けるのは無駄なので毎日こまごまとやり取りをしているらしい。

日本銀行や都市銀行や地方銀行、第二地銀、信用金庫、信用組合なんていう色々な種類の金融機関、株や債券やデリバティブなどの色々な金融商品についての一通りの説明がされている。近年の金融再編による銀行の統廃合の図がとても分かりやすかった。都市銀行以外の金融機関の成り立ちについての歴史的な説明も一通りあって興味深かった。金融商品の説明はそれぞれの役割についてもう少し踏み込んだ説明が欲しかった。最近の金融関係の出来事に対する説明の占めるウエイトがちょっと大きすぎるように思った。

なんというかちょっと中途半端で、手元においておいて分からないことがあったら読んで調べるなんていう使い方にも向いておらず、なによりこの値段に納得ができないのだけど、内容自体はまあまあだと思う。でも、他にもっといい本がありそうだから、この本はあまり薦めない。
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