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筆舌尽くし難きモニュメントを国民は抱きかかえさせられた
おそろしい話。日本には、埋め立てでもトンネルでもないのに、1m につき一億円も掛けて作る道路があるのだという。
その道路は、外環道・松戸〜市川で、たった 10km で総費用9,700億円。土地代が高いのではない。土地代は 2,250億円だというから、残りが工事費だ。なんでも地盤が弱いので杭を 50m の深さまで打ち込まなければならないからだというが…。
こういう驚くべき事実を掘り起こしたのが、小泉内閣のもとで道路公団民営化委員に任命された猪瀬直樹。抵抗勢力が大声で騒いで任命を阻止しようとして新聞沙汰になったのはちょっと前の話だ。
この莫大な建築費用がどこからくるかというと、東名高速道路のような有料道路やガソリン税などだ。日本の有料道路は、路線ごとにもとがとれたら無料にしていくという話だったのだが、日本全国に道路を張り巡らせる必要があるということで棚上げになっている。その理念自体はともかく、借金が増えていくのにどんどん道路を作っていく。
高速道路なんてほとんど使わないや、だとか、車自体乗らないからガソリン税なんて、と言うのは大間違いだ。色々な製品が昼夜を問わずトラックで運ばれているし、コンビニには毎日数回商品が運び込まれる。そうしたものを買っているのは我々だ。無駄な道路に使った金はすべて我々にはねかえってくる。
今朝か昨日の新聞には、そうした無謀な計画のうち、半分も作っていないものは原則的に計画を中止し、大体できている区間だけを部分的に完成させるようにすると報道されていた。決定かどうかは忘れた。
続いて、第二東名を例に挙げて、計画での総事業費 5兆7,000億円だというが、進捗を見てみるとさらに膨らむ可能性が高いという。別の回だが、そもそもなぜ第二東名が必要なのかという役人の言い訳も切って捨てていた。災害時の予備なら中央道があるではないか、と。
仮に百歩譲ったとして、こういう巨額の金を使う計画が、これまでほとんど国民の目に触れてこなかったことに驚かされる。猪瀬直樹がいなかったらどうなっていたのだろうか。そして、猪瀬直樹を抵抗勢力の猛反対を押し切って委員に任命した小泉首相がいなかったら。
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