誰が自衛隊機を壊したか |
三菱重工業の工場で、定期修理を受けた自衛隊の戦闘機が何者かによってケーブルを切断されたりピンが折れ曲げられたりしていた事件を取り上げ、これは実はアメリカのしわざではないかと言っている。
被害の起きた工場は、国産ロケット H2 シリーズを作っているところで、日本のロケット計画がアメリカ離れを起こすのを牽制するためではないかというのだ。日本の左翼・北朝鮮・中国による工作ではないと言っている。
これまでも日本のロケット政策がアメリカの干渉を受けていたことはある程度周知の事実だ。私は新書を一冊読んで知った程度の知識しかないのだが、日本の固形燃料によるロケット技術が世界最高水準にあったときもあったのだが、固形燃料はミサイルに転用しやすいし限界があるということで、結局アメリカの液体燃料エンジンを導入することになったりもした。それでも日本は独自の技術にこだわりつづけ、ようやくこのまえ H2A がなんとか成功したところへこの事件だ。三菱重工は H2 シリーズの開発をつい最近民間移管されたところだし、タイミングはぴったりである。
日本が独自の偵察衛星を開発しているというのは初耳だった。1m の精度を持っているらしいが(アメリカのは確か 30cm くらい)、実はもっと精度が高いのではないか、と分析する海外の情報誌の報道を引用している。日本はこれまでアメリカが望むときにアメリカからアメリカの偵察衛星の写真を受け取ってきており、アメリカにとって都合のいい情報しか受け取っていないことに日本側が不満を持ってきているらしい。
アメリカの民生機器産業は没落しているのに、軍事産業はいつまでも一線級でいられるのかどうか、とこれまで疑問に思ってきた。民生機器最強の日本が優れた兵器を作れないのは非常に不自然だ。だからこそこのような主張には説得力を感じる。
ただし作者の田中宇は最近反アメリカ的な論調が目立ち、傾向上そんなに中立ではない。中立じゃないから信憑性が薄いというのでは断じて無いが、もっと中立あるいは親米傾向のある人からもこのような主張を聞けたらなと思った。
ロシアの原潜クルスクやウクライナの航空機事故、そして昨日か一昨日のロシアでの世界一大きなヘリ墜落と、近年この手の事件が多いのはなぜか。旧ソビエトは確かに不安定な状況にあるらしいが、やはり不自然な感じもする。
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