とある魔術の禁書目録(インデックス) 3 |
強力な超能力を持つ女子中学生御坂美琴になぜかたびたび突っかかられる無能力者の高校生男子上条当麻だったが、性格のキツい御坂美琴とは正反対のおとなしい「妹」と出会い心通わせるものの、なぜか御坂美琴は「妹」を遠ざけようとする。その裏には学園都市が極秘に進める計画があった。人気SF学園ものライトノベルの第三巻。
第一巻から登場するものの「御坂美琴スルー伝説」と題して作者が意図的に主人公とのロマンスを避けている影のヒロイン御坂美琴が初めて全面的にフィーチャーされるエピソード。王道の物語をあえて避ける野心的な作者の意図とは裏腹に、本来正ヒロインであるはずの「インデックス」のほうがネットでは「空気ヒロイン」「インなんとかさん」と揶揄され、逆にこの御坂美琴のほうが作品を代表するヒロインとなって人気爆発、あげくスピンアウトして独立したマンガやアニメシリーズにまでなっているのがウケる。
ストーリーを説明しようとするといきなりネタバレになるので避ける。要点だけ言うと、御坂美琴が悲劇のヒロイン的な感じになり、普段は勝気の彼女が弱いところを見せて絶望的になるところを、主人公の上条当麻がその無能力で打破してみせるというもの。今回の敵は、学園都市最強の能力者「一方通行(アクセラレーター)」。主人公の通り名が「幻想殺し(イマジンブレイカー)」なのはまだ分かるとして、「一方通行」に「アクセラレーター」というルビを振るのは一体どういう法則なのだろう。まあかっこいいんだけど。
今回もグロあり。少女の惨殺死体。もちろん言い訳あり。
この小説の前にアニメ化された作品を見ているのでストーリーがあらかじめ分かっていたというのもあるのだけど、ちょこちょこ引っかかるところがあってあんまり物語に入っていけなかった。御坂美琴というキャラクターはベタだけど私は結構好きで、その補正もあるのだからもっと楽しめてもいいのにと思うのだけど、きっとSF的な要素が多すぎて素直に感動できなくなっちゃったんだと思う。このシリーズの舞台設定はとても魅力的で好きなのだけど、人の心を動かすにはあんまり複雑なことをやったらつながらなくなっちゃうんじゃないかと思った。上条当麻が御坂美琴を止めようとするところも腑に落ちなかった。でもなんだかんだで登場人物が一生懸命なところを見せるので流されたって感じ。
と色々文句をつけたけど、まだ読み進められそう。
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