とある魔術の禁書目録(インデックス) 4 |
学園都市最強の超能力者に勝ってしまった無能力者上条当麻は、最強の座を狙う能力者たちの襲撃を避けるために学園都市の配慮で家族ぐるみで海の家に出かけていた。ところが朝起きてみるとまるでみんなの外見と中身が入れ替わっているかのようだった。これは魔術なのか?誰が仕掛けてきたのか?人気SF学園ものライトノベルの第四巻。
アニメ化されたものをすでに見てストーリーが大体分かっていて読んだ。やっぱり小説のほうが地の文で色々説明されている分だけ分かりやすかったのだけど、基本的にこの手の話はアニメのほうがむいているなあと思った。
あらためて読んでみると、仕掛けが凝っていることに気づいた。世界中の人々の中身が入れ替わるという強力な魔術を仕掛けたのは誰なのか?という謎解きが軸になって進む。人を二十数人も殺した脱獄犯がまず疑われ、そいつが主人公たちを襲ってくる。第一巻にあったような転回につぐ転回があって面白かった。でも頭で面白いと思いつつも、いまいちこの作品を楽しめなかった。謎解きにロシア語が絡むところとか頭ではうまいと思ったけれど流してしまった。
世界中の人間の中身が入れ替わる、というSF的な設定がもう私は受け付けないみたいだった。それ自体の馬鹿馬鹿しさに加えて、登場人物の中身が入れ替わっているのでいまいちちゃんとしたドラマが成立せず、ただただアクションものとしてストーリーが進んでいくことにイライラした。
さらに、強力な魔術の突拍子のない設定、神裂火織の過去と仰々しい力、土御門の抱える宿命と能力と対話の白々しさ。こういったいわゆる中二病的なものがもう楽しめなくなってしまった。でも小中学生の頃だったら結構ワクワクして読んだかもしれないなあ。シャワーのぞきシーンとか。ミーシャの拘束服っぽい衣装とか。ちょいグロとか。そうだ、主人公の両親がシリーズ初出するのだけど、主人公の居心地が悪いのとは別に、読んでいる私のほうも落ち着かなかった。
なにげに主人公上条当麻の生まれ持つ不幸体質についての重要な語りが入る。でもこれも不幸体質というSF的な設定のせい?で感動しそこねた。結局まだ真実が少しも語られないし。
この作品は実際の人気の割にネットで結構けなす人が目立ち、私もその気持ちはとても分かるのだけど、自分はどういう作品を楽しいと思うのかだとか、他人はどういう作品を楽しいと思うのかなんていうことについての問題を突きつけてくるように思える。中二病だなんだとバカにしてみても、結局自分だって作品の良し悪しをたわいのないことで感じているだけなんじゃないかと疑問を抱かせる。
まああまり考えすぎてもしょうがないので簡単に結論を言うと、はっきりいってこの巻はつまらなかった。アニメ見て話は大体知っていたので読み飛ばそうかとも思った。ついでにいうとアニメを見たときもつまらなかった。
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