サムライカード、世界へ |
JCB カードが世界へ進出していった流れを、関わった人々や企業から編み出していく。カードといえば VISA とマスターカードが世界二強だが、実は JCB は世界五大カードに入っており、ダイナースは追い抜いているのだ。
カードの歴史はアメリカから始まる。現に世界五大カードの四つまではアメリカで生まれた。そもそもの始まりはダイナースだ。その名のとおり、食事をツケで払うことを目的に作られたカードだ。
これは伸びると見た各社がカードを作った。旅行者向けのサービス特にトラベラーズ・チェックを発行していたアメリカン・エキスプレス、バンク・オブ・アメリカが呼びかけ生まれた銀行連合で作った VISA、それに対抗して別の銀行連合で発行したマスターカード。
日本では随分遅れながらも国内各社が独自にカードを発行していた。当時最大だったのは JCB だったが、いまもある UC カードとか DC カードとかがそうだ。これらのカードで少ないパイをめぐって争っていたが、そこへアメリカのカード会社が提携により日本に乗り込んでいった。
次々と提携話がまとまる中で、国内最大手だった JCB もまた、どこかと提携するかどうかで悩んでいた。ところが最終的に JCB は、自ら世界に討って出ることにした。そこから血と汗の物語が始まるのだった。
いやあ、こんな話があったとは全然知らなかった。私なんかは、主にプロバイダに料金を支払う目的でクレジットカードを作ったのだが、パルコの発行する PEC カード(確かセゾンカードの一種)で躊躇なく VISA 付きを選んだ。なんだかんだで VISA が一番使えそうだもんね、としか考えなかった。まあこの選択は正しい。私は旅行に行かないから。
ちなみにこれが PEC カードの案内ページ。
http://www.saisoncard.co.jp/lineup/ca015.html
VISA とマスターカードと JCB とアメックスから選べるようになっている。多分シェアもこの順番だ。
まさにプロジェクト X だ。営業マンが一人で乗り込んでいって、一日で加盟店いくつだ、とかやってる。パリのどこそこでは、最初に行ったときは相手にもされなかったとか。加盟店だけでなく、代理店として決済やカード発行をやってもらう銀行なんかとも契約するのだが、あそこは危ないだとか、中国で政情に影響されたりする。他のカード会社と提携して一気に拡大とか。
もう前のめりに読んだ。面白い。面白いんだけど、ちょっと語り口が平坦なような気も。事実だけで十分面白いんだけど。やっぱ映像とかナレーションがないからか。だが無理やり盛り上げようなんていう変な演出はないので、すっきり読める。
著者は週刊ダイアモンドの副編集長だそうだ。
ちょっと面白い小話もいくつか。たとえば、韓国は先進諸国と比べて半端じゃなくカードでの売上比率が倍以上高い。政府が後押ししたからだそうだ。中国や台湾では、カードや加盟店マークに招き猫を入れたものが人気を集めて、加入者や加盟店が増えたとか。アメリカのボスとして文学博士を持ち経営学を教えていた異色の経営者を雇ったとか。JR の SUICA のような非接触型のカードを一番早く導入できそうなのが JCB なのだとか。ただし、カード自体が携帯決済とか他のサービスに食われないとも限らないとか。
ふと思い出したのは、中国で開かれた携帯などの通信関連の見本市で、自動販売機でジュースを買うときに携帯で決済するというこれ。
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0903/cebita03.htm
自動販売機にかかれている電話番号に携帯で発信すると、パスワードが送られてくるので、それを自動販売機についている番号キーに入れるとジュースが出てくるらしい。料金はダイヤル Q2 みたいな方式で徴収する。既存の技術でやっちゃうところがさすが。China Mobile の展示らしい。日本のドコモは当然独自の最新技術。
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