“無届け介護ハウス”急増の背景に何が |
お金がなくて高額な民間の老人ホームに入れず、自治体が運営する特別養護老人ホームにも人が多すぎて入所待ちで入れない老人が、民家に毛が生えた程度の無届で運営されている介護ハウスに入っている現状を報告したルポ。
普通の一軒家やマンションの一室に老人たちが所狭しと押し込まれて世話をされている映像があって軽く衝撃を受けた。認可された施設と違って保健所の指導を受けなくてもいいことから、集団感染で四か月に二十数人も亡くなったところもあったらしい。
でも別にこういう施設はアリじゃないかなと思う。狭くてもちゃんと普通のベッドが置かれているし、テレビだって一人一台ある。破産して老後を迎えても最低限このぐらい世話してくれるんなら一応安心していいんじゃないかと思った。
行政の目が行き届いていないのかもしれないけれど、家庭で老人の面倒を見てもそんなに変わらないと思う。家族がインフルエンザやノロウイルスに掛かってそれが老人にも伝染して亡くなることだってあると思うし。
番組の報道姿勢としても肯定的で、現状を考えると仕方がないといった感じだった。というか、自治体が紹介しているらしい。訪問看護の仕組みを利用しているので、施設も黒字とのことだった。ただ、制度の穴を突いているため問題もあるらしい。たとえば、認可を受けている施設の場合は老人の住民票のある自治体が費用を負担するので越境して入所した場合でも費用が振り替えられるのだけど、無届けの施設の場合は施設の所在地の自治体が費用を負担してしまうことになるとのこと。
北海道の網走で廃業したホテルを買い取って介護ハウスを経営しようとしている人が出てきて、この人は東京で入所者を募集していた。うまいこと考えるなあと思った。映像を見ると普通にホテルなので民家と違って広々としていた。でもあの刑務所で有名な網走だし、暖房ケチったら寒いだろうなあ。
ただ、番組で認可施設不足の自治体として世田谷区が取り上げられていたけれど、あんな地価が高いところにわざわざ施設を作って老人を収容するぐらいだったら、どうせ彼らは滅多に外に出ていかないんだし、地方に病院を併設した施設村みたいなのを作ったらいいんじゃないかと思った。
介護ではないけれど最近自分の親が手術後にリハビリを行うことになり、リハビリ専門の病院に入院したのだけど、そこにはやたら若い療法士の人ばかりいて、なにやらブラックなにおいがした。そこの院長さんが日本人じゃないような苗字の人で、ピンク色のズボンを履いたおっちゃんだったので正直ちょっと心配だった。別にそこで手術とかするわけじゃないし、その施設自体は評判がいいみたいだったのだけど、補助金で潤っているんだろうかと思った。
最近のニュースによれば、薄給で働いている介護士たちが勤める介護施設には一件あたりなんど平均三億もの内部留保があるらしい。介護はブラック業界と言われているけれど、経営者の羽振りはかなりいいとネットでは言われている。結局この国は民間が過当競争によりほとんど利益が出ない中で、国や自治体が運営しているところや、民間でも補助金の出るところしか安定しておらず、高給な公務員やあこぎな経営者ばかり潤っている。無届けの介護ハウスも、いずれ大問題になる可能性があるんじゃないかと思う。
関連する話題についても色々と書きたくなったけれども、今回はここまでにしておく。
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