Xperia Z Ultra (SOL24) |
ソニーが開発したパスポートサイズのタブレット端末Xperia Z Ultraのうち、電話機としても使えるLTEモデルの中で、特にKDDIとの共同開発をしたau向けのもの。フォン(電話機)とタブレットの中間という意味の造語でファブレットと呼ばれる種類の製品。
Xperia Z1 f (SO-02F)が思いのほか良く、兄弟モデルも欲しくなったので、2014年6月にXperia Z1 (SOL23)とともにこのXperia Z Ultra (SOL24)をMNP新規一括0円で契約した。
このモデルを評価する方向性は二つある。この大きさがタブレット並に使いやすいのかというのと、この小ささがスマートフォン並に携行できるのかというのだ。
まず大きさについて言うと、6.4インチのフルハイビジョンサイズ1920×1080の液晶モニタを持っている。数字だけ見ると小さなタブレット端末をもう一回り小さくしただけなのだけど、小型タブレットよりも明らかに小さい。画面の縦横比が16:9なので細長く、フルブラウザを使うと狭く感じる。
小ささについて言うと、スーツの内ポケットにすっぽり入る。まあベゼル(縁)の狭い7インチタブレットだったらギリギリ内ポケットに入ってしまうものもあるのだけど、このモデルだったら余裕を持って入れることが出来るし、入れてもそんなに違和感がない。そして驚くほど薄くて軽い。Xperia Z1やZ1 fはちょっと分厚いのに対して、このモデルは6.5mmしかなく、重量も214gしかない。7インチのタブレットは大体300g以上ある(Xperia Z3 Tablet Compactは8インチで270gみたいだけど)。
つまりこのモデルの最大の特徴は、胸ポケットに入れるのを諦めて、上着のポケットに入れて持ち運べるなるべく大きなサイズの端末であるということ。そのため、電話機としてもっとも重要な(?)通話しやすさは犠牲となっている。この大きな端末で電話する絵はアホみたいに見えるので、ネットでたびたびネタになり嘲笑されている。そしてタブレットとしてもっとも重要な実用的サイズを満たしていない。だから、どうしても中途半端な感が拭えない。事実、このモデルはあまり売れずに投げ売りされ、ソニーはこのモデルの後継機をいまだに発表していないし(怪しいリーク情報はある)、小型タブレットとしてはXperia Z3 tablet Compactという8インチのものしかない。
じゃあまるっきりダメかというとそうではなくて、一部の根強いファンがいる。広くは受け入れられなかったけれど、オンリーワンとして愛好されている。自分も使ってみてなかなか悪くない機種だと思った。
これより一回り小さいサイズだとモニタが5.5インチになり、SamsungのGalaxy Noteシリーズが切り開いた大きさになる。こんなバカでかいスマートフォンなんて売れるはずがないと思われていたが、ペンを取り入れた操作もあって新たな市場を作り出した。Appleも追従してこのサイズでiPhone 6 Plusを出してきた。このサイズとなると片手での操作は難しいけれど、胸ポケットには入れられるし、通話にも支障がないと思う。ただ、その程度だったら別にもう一回りぐらい大きくてもいいじゃんとも思う。実際、5.5インチのiPhone 6 PlusやLG isai FLを使っていると、どうせならもうちょっと画面サイズが大きければなあと思うことがある。
このモデルの最大の欠点は、バッテリー容量が少なめであることだと思う。…そう思っていた。なぜなら、iPad miniシリーズが大体6500mAhぐらいあるのに対して、この機種はなんと3000mAhしかない。このモデルは液晶パネルが大きい分だけ消費電力が大きいので、普通のスマートフォンよりもバッテリー容量が大きいにも関わらずバッテリーの持ちが悪かった。しかし、バッテリー消費を抑える機能を使い、余計なソフトをアンインストールしたり無効にしたりしているうちに、いつのまにかだいぶバッテリーが持つようになった。iPad miniと比べてしまうとダメだけど、普通のスマートフォンと同じかそれ以上に持つようになったので、全然気にならなくなった。
auの端末なのでMVNO(大手キャリアの卸売回線を使った格安通信事業者)が使えなかったのだけど、2014年6月から関西電力系のK-Opticom(ケイ・オプティコム)によるmineo(マイネオ)が使えるようになったので、月々千円以下でデータ通信できるようになった。
地上デジタル波放送をワンセグではなくフルセグで見ることが出来る。このサイズで見れるというのは大きい。
最近までauオンラインショップに在庫があったのだけどなくなってしまった。16ヶ月以上使っている人なら三万円ちょっとで機種変更できた。秋葉原とかに行けば白ロムつまり未契約状態の未使用品を買うことが出来ると思う。まあ最新のGALAXY Tab S 8.4 SC-03Gが39,800円で売られているみたいなので、いまさらこのXperia Z Ultraをわざわざ金出して買うのもなんだし、安ければ考えてみるぐらいでいいと思う。いまのところAndroid OS 4.4.2までアップグレードできる。
この製品に限らず言えることだけど、このようないわゆるファブレットは位置づけ的に中途半端なので、自分がどういった使い方をしたいのかよく考えてから選んだ方がいいと思う。二台持ちの人なら小さいのと大きいのを一台ずつ持ったほうがいいかもしれないし、一台にまとめたい人でも常時持ち歩くのにこんな大きいのを選ぶこともないだろうから。ちなみに自分は通勤カバンの雑誌を入れるスペースに放り込んでいて、スーツの内ポケットには今は入れていない。軽くて持ちやすいタブレットとして使っている。普通のタブレットを片手で持つと幅が広くて重いので見ることぐらいしか出来ないけれど、こいつだと片手でも手になじんで普通に操作できる。左上のボタンを押すのは大変だけど。
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