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ウィッチクラフトワークス 2巻まで
高校生男子の多華宮くんのクラスには、校内でファンクラブまで存在するお嬢様の火々里さんがいた。いいなあと思いつつ、熱狂的な信者から恨まれたくないので距離をとっていた多華宮くんだったが、不思議なことに彼女と登校時間が重なったり一緒になったりすることが多いことに気づく。実は彼女の正体は魔女で、多華宮くんを陰で守ろうとしているのだった。少年マンガ。

2014年にアニメ化されたのを見て、まあ例によってあまり面白くなかったのだけど、設定がちょっと面白そうだったのと、アニメではアニメ的な演出のせいで話が面白くなかったのではないかと思って原作も読んでみたところ、やっぱり面白くなかった。

校内で魔女というと吉河美希「山田君と7人の魔女」を思い出すのだけど、この作品の魔女はもっと伝統的に受け継がれてきた正統派の魔女で、「工房の魔女」と「塔の魔女」とが世界の秩序をかけて戦っているという設定になっている。なぜか物語のカギを握る存在となっている多華宮くんを巡って、「塔の魔女」たちが襲い掛かってくるのを、「工房の魔女」である火々里さんが撃退していくというのが話の流れとなっている。

この作品の何が魅力なのかというと、澄ましたお嬢様の火々里さんが静かな熱意をたたえながら多華宮くんを全力で守ろうとするところだと思う。多華宮くんは背が低いので火々里さんのほうが大きい。2ちゃんねるのネット実況板のアニメスレでこの作品のことを、こういう大女(美女)の需要を狙った作品だと言っている人がいて、ふーんそういうものなのかと思った。というより多分作者の趣味なんじゃないかと思う。自分にはあまりよく理解できない嗜好なのでなんとも言えないけれど、口数が少なくてちょっと冷たいけれど好意も見え隠れする美女というのは悪くないなと思った。

ただ、ストーリーがさっぱり面白くなかった。次から次へと新しい「塔の魔女」たちが押し寄せてくるのをただひたすら撃退していくだけ。敵も味方もそれらしい思わせぶりなことを言うのだけど、なんにもつながらないので空虚に話が続いていく。意外なところから現れた味方の第二の「工房の魔女」が全然話を広げてくれないので、もうこの作品を読み続けてもしょうがないと思って読むのをやめた。

一応絵の魅力として、「塔の魔女」がかわいい動物の軍隊で襲ってくるところなんかはビジュアル的にちょっと面白かったのだけど、絵にあまり動きを感じられないし、根本的な問題として能力的に何がどう有効なのかよく分からなかった。こういう異能力ものっていうのは、読者が「こんな能力を持てたらいいだろうなあ」と思えないとダメだと思う。そのためには少なくとも能力の弱点や限界みたいなものも描かないといけないと思うのだけど、なんだかよく分からない威力で戦況が動くのでさっぱり面白くなかった。そういえばジョジョにもなんかこういう軍隊を呼ぶスタンド(異能力)あったな。能力の弱点をカバーして耐えて最後に全力で能力をぶつけて倒すのがかっこいいと思う。

火々里さんは炎の魔女なのだけど、炎の描写が妙にトゲトゲしいのも萎えた。

火々里さんは圧倒的に強いので、最初に出てきた五人の「塔の魔女」をあっさり撃退して捕まえるのだけど、そのときに魔女狩りを思わせる捕縛をする。しかしただそういうシチュエーションを作っただけ。魔女についての様々なモチーフを描いて雰囲気づくりをしたいだけという感じがした。

ちょっと冷たい大女(美女)が無双する話を楽しめそうな人や、伝統的な魔女のモチーフやそれっぽい世界観を味わうことが出来そうな人なら読めばいいと思う。
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