VX-J |
ポータブルオーディオの専業メーカーNougisya(農義社)が水月雨(MoonDrop)というブランドで作っているイヤホンの廉価モデル。二千円を超える値段のイヤホンは大体カナル型という耳栓のような形になるのだけど、このモデルは耳の穴にかぶせるように乗せて装着する普通のタイプ(イントラコンカ型)なのが特徴で、解放感のある音を出す。
カメラとオーディオの専門店フジヤエービックで2018年正月のWestone十万円福袋を買ったら、W60のほかに細々としたものが色々入っていた中の一つ。福袋というと売れ残りの寄せ集めなのが定番で、こいつに関しても多分そうなのだと思うけど、イントラコンカ型という珍しいモデルであり、ちゃんと色んなタイプの製品を詰め込んでくれていて割と楽しめた。
カナル型ではない普通のイヤホンといっても、ダイソーで100円で売っているやつとか、iPhoneのおまけで付いているやつとかみたいなプラスチック製の安物っぽいものではなくて、ボディが金属製でとてもずっしりとしている。また、重いと耳からポロリと落ちそうに思えるけれど、ボディから金属の支柱が伸びていて、やじろべえのように重心が下にきて安定するようになっている。ただ、遮音性は当然皆無なので移動中はまったく使えない。
低域はそんなに出ないし、高域もちょっと音が遠くて素朴な音なのだけど、解放感があってよく響いている感じがする。SennheiserのIE800を緩く装着したときのような、イヤホンとは思えない鳴り方にちょっと通じるところがあるように思う。まあIE800は全域で素晴らしい音を聞かせてくれるのだけど、このVX-Jは中域をメインに勝負している感じ。でも音楽を楽しむには十分な音だと思う。音響を楽しむには物足りないけど。
イヤホンが大好きでも、ずっと耳の穴に詰め込んでいたくはないし、ヘッドホンも耳を覆ってしまうし、かといってスピーカーは近所迷惑になる。そういうときに、こいつを軽く耳の突起に載せて軽い音楽を聴くのもいいんじゃないだろうか。無理に聴かずに耳を休ませたほうがいいのかもしれないけど。
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