ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ |
日本にロールプレイングゲームを定着させたドラゴンクエストシリーズのスピンオフ(派生)で、マインクラフトのような箱庭型ゲームのシステムを取り入れ、ブロックで街を作って次々と集まってくる住民の希望を叶えて街を大きくしていき、最終的に中ボス大ボスを倒すことが目的のアクションRPG。
自分はパクり元であるマインクラフトを遊んでそこそこ面白かったのだけど、ほとんどストーリーがないし結局のところ何もない地面を露天掘りしていけば必要な資源が集まっていくことに気がついて興が覚めて放り出してしまった。しかしこのシステムでもっと遊びたいという思いも残っていて、YouTubeに上がっていたこのゲームのプロモーション動画を見てこれだと思ったので買って遊んでみたらすごく面白くて最初は熱中したのだけど、そのうち飽きて三章の中盤で投げ出した。最近になって再開し、どこまで攻略したかすっかり忘れていたので三章の実況動画をやはりYouTubeで見て、住民のセリフから大体のところが分かったので自分のプレイを再開してやっとクリアできた。
このゲームの何が面白いって、やっぱり街を作れるところ。ただ好きなように建物を作るんじゃなくて、人が集まってくるのでそいつらの希望に沿って建物を建てていく。人の役に立つよろこび!(笑)
たぶんこの手の箱庭系のゲームって自分が好き勝手に出来ることが世界的にウケていると思うのだけど、逆に制限されるところがいいと思う。日本人向けかもしれない。いや世界的にも百万本以上売れているらしい(マインクラフトはその百倍売れてるけど)。
建物は古き良き本家ドラゴンクエスト7くらいまでの上から見下ろした感じの構造で、屋根がなくて壁とドアだけで建てる(屋根もあるけど作りたい人だけ作る感じ)。看板とかタルとかツボとかいかにもドラクエらしいグラフィックスがおなじみでかわいい。地面を壁で囲ってドアをつけてなにかしらの明かりをつければ部屋として判定され、中にベッドがあれば寝ることができ、街の敷地内であればスコアが入る。
最初から好きなように建物を建てることは出来ない。材料が必要だから。土は簡単に掘れるけれどモロい。おおかなづちとかあればレンガや石なんかで家を作れる。木材は大きな木を伐採して加工して作らないといけない。道具を作るための道具が必要だったりと単純ではない。レシピは素材を手に入れていくうちにひらめく。武器や防具といった装備も作らないと戦いに勝てない。モンスターが落とす素材も多い。
ストーリーがすごくいい。堀井雄二がどの程度関わっているのか知らないけれど、本家のどのシリーズよりも良かった。ちゃんと堀井雄二節が利いていて、登場人物たちがみんなどこかしら独特のお調子者でいながら一生懸命に生きていて、ちょっとした毒や苦味もある。脚本も素晴らしくて、会話が大体楽しかった。全四章で基本的に話は独立しており、章の終わりの別れのシーンが毎回ジンとくる。クリアしたら自動的にステージが終わるのではなく、プレイヤーに自分の意志で世界から離脱させるのがすごく良かった。住民が追いかけてきて別れを惜しみながら最後に感謝の言葉を述べるところに感動した。
主人公が精霊ルビスに導かれる演出がとても良かった。普段ルビスは字幕のナレーションで主人公を導くのだけど、重要なシーンでは場が暗転してルビスが光り輝く姿で顕現するところがとても神々しくて、シナリオも相まってすごく気分が高まった。自分は神や大いなる存在なんて信じていないけれど、こんな形で現れたらただちに信者になると思う。
このゲームの大きな欠点として、アクション性が悪いことを挙げておく。剣の間合いが狭いので敵に近付いてから剣を振らないといけないのだけど、敵に接触するだけでダメージを食らってしまう。どの程度距離を取らないといけないのか毎度イライラする。大きい敵ほど当たり判定が分かりづらい。
大ボスとの戦いはギミックが練られていて基本的には面白いのだけど、製作者側がプレイヤーに何をさせたいのか最初分かりにくい上に、意図が分かってからもなかなかそのとおりに操作できずにやはりイライラする。メルキドの盾というか壁でボスの攻撃を跳ね返させてボスがダウンしている隙に攻撃させたいんだろうなとかあるのだけど毎度スムーズにいかない。そうこうしているうちに敵の容赦ない攻撃で拠点がぶっ壊されていく(絶望)。任天堂のゼルダの伝説のボス戦とかよく出来ていたんだなあと思わされた。この作品はどうやら内製(社内開発)したらしいのだけど、ビルドの操作感は良かったもののアクション性に関してはいまいちだと思う。自分がプレイしていて途中で放り出したのも、第三章でアネゴを助けるために敵の本拠地を連戦したあたりだった。
Wikipediaによるとファイナルファンタジーシリーズの世界観で作る案もあったらしい。日本だとドラゴンクエストシリーズで正解だったと思うけれど、世界ではファイナルファンタジーシリーズで作った方が三倍ぐらい売り上げが変わったと思う。まあどうやってストーリーを作るんだっていう話もあるけれど、7が一番人気っぽいので神羅カンパニーの妨害を跳ねのけてフィッシャーマンズホライズンあたりを発展させるとか、6の崩壊後の世界を立て直すとか、8の傭兵学校を作るところから始めるとか色々やりようはあると思う。
もうこの作品には続編があって2として今度は本家2のストーリーのその後の話になっているらしいけれど、自分は体験版を少しプレイしただけだから分からない。また遊んでみたい気はあるのだけど、どうもバグが結構あって自由に行動し過ぎるとフラグ処理がおかしくなってストーリーがうまく進まなくなることがあるらしい。そのせいもあってか一時期三千円ぐらいで投げ売りされていたのだけど、一章の最後近くまで遊べる体験版が出たせいかちょっと持ち直したようだ。オンラインで何度かアップデートされており、ある程度は解消されているみたいだけど、見た感じまだバグが残ってはいるみたいだった。
自分はこれドラゴンクエスト11として売ればよかったのにと思った。ファイナルファンタジー11や12みたいにオートバトルにすればアクションの苦手な人も含めて広く楽しめただろうし。でもビルダーズの2も1に引き続いて世界で百万本以上売れたものの急拡大はしなかったみたいだし、こういうものを求める層というのはそこまでいないってことなんだろうか。マインクラフトが安くて十分広まっているからかな。
いまなら2の「たっぷり遊べる体験版」がPS4とSteamで配信されているので試しに遊んでみるといいと思う。ただ、ちょっと試してみた限りだと3D酔いを防ぐための基本的なカメラ移動すらできていなかったので、3D酔いしやすい人はやめておいたほうがいい。自分はちょっと気持ち悪くなった。
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