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テイルズ・オブ・デスティニー
ナムコが出した本格的RPGシリーズの第一作。喋る剣を手に入れた主人公スタン・エルロンが、仲間たちと出会い、はるか昔にあったという天上戦争の再来を防ぐために冒険する。

ハードはプレステだが、スクウェアのファイナルファンタジー6と同じくらいの技術を使った 2D のRPG。たぶんナムコは、スクウェアのファイナルファンタジーやエニックスのドラゴンクエストと並ぶ大作RPGシリーズを作ろうとしたのだと思う。

戦闘システムに独特のアクション性があり、コマンド入力だけのRPGとは一味違う。ただ、自由にキャラクタを動かせるわけではなく、攻撃ボタンと方向ボタンを組み合わせて動かす。それでも割と細かい操作ができ、敵の攻撃や弾をよけたり奥や空にいる敵に当てにいったりと工夫のし甲斐があり、なおかつ基本はオートなので面倒くささをあまり感じなかった。技にも威力だけでなくレンジやタイミングがそれぞれで、使い分ける楽しみがある。自分はかつてグランディアの戦闘システムを素晴らしいと思ったのだけど、戦闘システムの完成度という面ではこの作品のほうが高いと思う。

アニメの要素を取り入れている。オープニングからしてアニメ。いのまたむつみが原画を担当しており、あの独特のボーイッシュなヒロインの絵がとても魅力的だった。まあこの人の描く絵って非常にワンパターンなのではあるのだけれど…。声優まで使って本格的だった。こういうものに拒絶反応を持つ人には勧められないけど、楽しみたい人だけどっぷり楽しめるようフィールドでじっとしていると会話が始まるというあくまで付加的なものとなっているため、飛ばしたい人は簡単に飛ばせる。

サイドストーリー。うーん。まあまあ。記憶喪失の女マリーの小話はとてもよかったと思う。ただ脚本に難あり。あまり突っ込まずに素直に楽しんだほうがいいと思う。記憶がよみがえった途端に悲しみが訪れるのがよかった。

ヒロインのルーティの動きが微妙だった。途中の町で主人公スタンに微妙な想いを感じて行動するシーンがあるのだけど、どうなのだろう、多くの人はいまいち感を感じると思う。強がるキャラが弱いところを見せるというのが黄金のパターンで、それを狙ってるのかと思ったら、安易になるのを避けたのか、それともこのキャラを大事にしたかったのか、寸止めされてしまった。

メインストーリー。悪くはないのだけど、良くもなかった。基本的にキャラクター中心で進むので、メインストーリーはどうでもいいのかもしれない。ルーティに連れまわされたり、少年剣士リオンに連れまわされたりと、よく言うとキャラクターを生かしたストーリーになっている。それに比べると、天上戦争などの背景はお粗末に見える。これも結局喋る剣ことソーディアンたちのキャラクターが中心だった。展開上世話になった人たちが逆に敵になるところはおもしろかったけど、いま一つに感じた。

この作品は割といい感じによく出来ているのだと思うけど、プレイヤーである自分のほうにも問題があってそのせいで評価が及んでいないところが多いと思う。細かいところは無視してクリア優先でプレイしてしまった。ダンジョンは長くてエンカウントがうっとうしかったけど、学生には丁度いいのかもしれない。謎解きもじっくりやって楽しんだ人のほうが多かったかもしれない。やり込みの要素も充実しているみたいだったけど、自分はそこまではやってられなかった。

それらを考慮に入れたとしても、やはりいまいちな感じがする。人に薦めたいと思えない。よい作品はなにかしら人に薦めたいと思うものなのだけど。

ところで、攻略サイトとして Tales of Together 200X というところを利用させてもらったのだけど、ここの掲示板の規約がやたら長くて笑ってしまった。確かに家庭用ゲームの攻略サイトの掲示板ともなると年齢的にも精神的にも幼い人が他人のことに無頓着だったり騒動を起こしやすかったりするのだろうけど、ここまで規約を書くサイト側にはやたら偏執的なものを感じた。まだ残っていたらネタと思って読むと面白いので見てみるといいと思う。ただ、やっぱりちょっとイラっとくる。
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