ファイナルファンタジー6 |
幻獣や魔導士たちの壮絶な戦いにより世界が荒廃しつくした「魔大戦」から千年が経ち、人々は魔法が失われた世界で機械の力を使って文明を復興させたが、野心あふれる帝国は幻獣に感応する謎の少女を操りかつての強力な力を復活させようとする。日本でドラゴンクエストシリーズと並び称されるコンピュータRPGシリーズの6作目。
いまやゲームは3Dが当たり前となったが、2Dのロールプレイングゲームの最高傑作がこの作品だと思う。自分は学生の頃に弟が友人から借りたソフトで便乗して遊んでいたのだけど、最後のダンジョンの途中で返却することになったのでクリアしていなかった。まあ最後の最後のところだったし既にエンディングは弟のを後ろから見ていたので特に未練はなかったのだけど、ミニスーパーファミコンを買ったら入っていたのでまた遊んでみたくなってやってみた。おもしろかった。
どこがすごいかって、やはりシステムが素晴らしいと思う。戦闘はコマンド入力式で、速い順にキャラに番が回ってきて行動を入力していく。武器で攻撃する場合は「たたかう」を選んでから次に攻撃したい敵をカーソルで選ぶ。本シリーズの戦闘画面はいちいち状況が文章で表示されず、横を向いたキャラが武器を振るうアニメーションと心地よい効果音とともに敵の被ダメエフェクトとダメージの量をあらわす数値がポップする。コマンドの入力と発動が並行して行われるため、次のキャラのコマンドを入力している間に前のキャラの攻撃が発動するので、戦闘がとてもテンポよく進んでいく。装備している武器によりグラフィックスが変わるのも楽しい。ライバルと言われるドラゴンクエストシリーズでは多分8でようやく物理攻撃のエフェクトが豊かになったんだったと思う。
今回は味方キャラが全部で14人もいて物語が進むにつれて加入していくのだけど、みんなそれぞれ装備できる武器や防具が違ったりするだけでなくユニークな特技があってそれぞれ特徴を掴んで戦闘を組み立てていかなければならない。それに加えて「アクセサリ」という特別な力を持った装備枠があり、武器を片手に一本ずつ持てる「にとうりゅう(二刀流)」や、片手用の武器を両手で持つ「りょうてもち」、自動的に特定の強化魔法が掛かるものや各種の異常ステータスを防ぐものまであって戦略性に富んでいる。最適なパーティをセッティングするだけで楽しかったし、そうやって組み立てたパーティで戦闘をこなしていくだけで夢中になれた。まあさすがに歳をとって二回目にやってみるとそこまでは楽しめなくて作業感も出てきたんだけど。
ストーリーも魅力的で、まず導入部で帝国に操られるままにロボットに乗って戦わされる少女を操作するところから始まるのだけど、氷漬けになっている幻獣を発見したところで操りが解け、冒険家ロックに助けられてから本編が始まる。
強力な力を手に入れて世界征服を始める帝国に対して、「リターナー」というレジスタンス組織が陰で抵抗しているのだけど旗色は悪く、帝国の(文字通り)魔の手を逃れて転々とするうちに仲間が集まり力をつけていく。そしてついには皇帝との交渉の機会まで掴むのだけど、なんだかんだあって帝国の魔導士ケフカによって世界が崩壊してしまう。
世界が崩壊するってのが本作の一番の特徴だと思う。崩壊後に小さな無人島に流れ着いたセリスは、一緒に流れ着いたシドを看病しながらこの世の終わりの日々を過ごすのだけど、具合の悪かったシドがついに病に倒れて死んでしまうと、もうこの世で生き残っているのは自分だけなんだと思い絶望して崖から身を投げる。いままで自分がプレイしてきたゲームの中で多分一番感動したのがこのシーンだと思う。ちなみにシドは元気な魚を食べさせていると元気になってしまいこのイベントが見れないので注意(笑)。
まあ実際は世界が崩壊といいながらも人々はなんとか生き残っているのだけど、地形が変わるほどの地殻変動があり、街や村は荒廃している。物語はまだ半分が終わったぐらいなので続いていく。
サイドストーリーがいくつかあってどれもしんみりする。まず実質主人公格の冒険家ロック。こいつは以前亡くした恋人レイチェルへの後悔がある。謎の少女ティナを助けたいと思ったのもそのせいらしいが、彼女はあくまで保護対象なのだった。レイチェルに未練が残ったままのロックだったが、途中で出会った帝国の女将軍セリスを助けたことで惚れられ、彼も悪からず思うになる。
ドマ国の侍カイエンは、妻子を帝国に殺されてしまう。死んだ人々の魂を乗せて走る「魔列車」を見送った彼には後悔しかなかった。世界が崩壊し、彼のそばで息絶えた一人の兵士のもとに恋人から手紙が届く。何を思ったのか彼はその兵士の代わりに手紙の返事を書くのだった。
小国の王エドガーには双子の弟がいた。王位継承のときに弟のマッシュは城を飛び出して音信不通となる。マッシュは格闘家の弟子となっていた。二人の間にあるわだかまりとは?
とまあいい感じっぽく要約してみたけれど、さすがにスーパーファミコンの時代の2Dなので演出にも脚本にも限界があって、いま改めて見るとちょっと淡泊で茶番っぽい。でも当時は想像で補って物語を楽しんでいた。
最初にプレイしたときは「魔大陸」で忍者シャドウを置き去りにしてしまったので、今回はちゃんと攻略サイトを見て彼が追い付くのを待った。多分普通にプレイしたら多くの人はシャドウを見殺しにしてしまうと思う。まあ別にそれでも物語全体に大きな影響はないのだけど。
音楽がとても素晴らしい。植松伸夫すごい。この作品のサウンドトラックは昔買って飽きるほど聞いたのだけど、改めてゲームをプレイしながら聞くとますますいい。今回思ったのは映画音楽っぽいなあというのと、4ほど露骨ではないけれど泣きのメロディというかしんみりくる曲が多いなあということ。あと言うまでもなくラスボス戦のプログレ風の曲は最高。ほかに自分はゾゾの町の曲も気に入っていて、とても耳に残る楽しい曲だと思う。ちなみにこの町はアパレル通販サイト「ゾゾタウン」とは何か関係あるの?
ファイナルファンタジーシリーズはその後も続いていまは15まであるけれど、総合的に見て一番の傑作はこの6だと思う(15はこれからやるところ)。最近リメイクされた7も良かったけれど音楽がいま一歩だった。ハードの性能が上がったことで編曲に比重が傾き、メロディがぼやけてしまったんだと思う。
当時最先端だったこのゲームにこう言うのは失礼かもしれないけれど、古き良きレトロゲーとして自分は今でも割と楽しく遊べたので、最近の若いゲーム好きの人は遊んでおくといいと思うし、昔遊んだ人も死ぬまでにもう一度くらいやってみるといいと思う。
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