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ウイニングイレブン 2019
コナミが出しているサッカーゲームシリーズの2019年度版(発売は2018年)。世界最大のゲーム会社エレクトロニック・アーツが国際サッカー連盟の公認を受けて出しているFIFAシリーズと並んで二大サッカーゲームと言われているらしい。

新川直司「さよなら私のクラマー」を読んでサッカーに改めて興味を持ち、そういえばプレイステーション4と抱き合わせで買ったソフトの中にこのサッカーゲームがあったことを思い出したので遊んでみた。なんだかよくわからなかった。

ネットワークに対応しているみたいだったのでやってみたらサーバーに接続できなかった。調べてみたらもうサービスが終わっていた。早すぎる。2019年と銘打ったゲームが2021年にもう遊べないとは。発売自体は2018年だけど去年2020年にサービスが終了している。シリーズは毎年出ているので2020とか2021を買えということなのだろう。ちなみにライバルのFIFAシリーズでも言われていたけれど新作出してもゲーム内容がほとんど変わっていないという批判が多いみたいでよく炎上していた。

というわけでmyClubというオフラインモードで遊んでみた。監督になってチームを勝たせていく。選手を獲得することも出来るのでよく分からないけれどGMの権限もあるようだ。

出来るだけなじみのあるチームでやりたかったので地元調布のFC東京を選ぼうと思ったら見当たらず、仕方なく川崎フロンターレにした。次にリーグを選ぶのだけどJリーグがなかったので適当なアジアを選んだら自分以外のチームが全部中国のリーグになってしまった。うーん、これ本当に日本で売られている日本産のサッカーゲームなの?ライセンスの問題なんだろうけど、発売元もJリーグも消費者も全員損をしていると思う。

まず普通に一試合やってみたのだけど、一人で11人操作しなくてはならないのでいったん流れを掴むためにAIにやらせる監督モードで進めることにした。自分はファミコンのサッカーに始まりスーパーファミコン時代の名作HUMANのスーパーフォーメーションサッカーもそこそこ遊んだことがあるけどそれ以来この手のサッカーゲームに全然ご無沙汰だった。要は操作する選手の切り替えが必要なので、慣れないと難しいと思う。ちなみにくにお君のサッカーは割と操作が簡単だったけどサッカーというより半分格闘ゲームだった。

AIは選手の操作だけでなくフォーメーションや戦術も自動でやってくれるのでそのまま任せることにした。ポゼッション(標準)で中央突破型の戦術になった。ほかにカウンターとかサイドアタックとか細かい戦術をいくらでも選べる。選手ごとに得手不得手があって、左サイドに強い選手とか一人一人決まっているので、選手の得意な点に合わせて戦術を決めるといいみたいだった。もちろん得意じゃなくても起用しているうちに慣れていくらしいし、自分がやりたい戦術に合わせて選手を獲得していくこともできる。

試合は見ているだけで割と楽しい。AIが勝手に動いてくれるのだけど、まるで本当の試合中継を見ているみたいだった。細かいワンツーやスルーパスとか裏に蹴り出して走らせるとか色々やっていた。選手一人一人に細かくパラメータが設定されていて、それに合わせてプレイするようになっているらしい。シュートが入ったり外れたりするたびにTV中継みたいな演出で何度もそのシーンを見せてくれる。

でそのまま監督として試合を見守り続けたらアホみたいに勝ちまくった。ほぼなんにもやっていないのに連戦連勝なので逆に面白くなかった。戦術をいじる気にもなれなかった。

シーズン終盤になって同リーグの別チームから監督就任オファーが来たので移籍してみた。そうしたらこのチームでも連勝しまくり、古巣の川崎フロンターレを追い抜いてリーグ優勝した。うーん、なんなのだろう。ダイジェストで即試合結果が分かるモードもあるのでやってみたら結構負けたので、AIにやらせるとプレイヤーに有利になる謎の処理があるんだと思う。

一年の終わりになんとバルセロナから監督就任オファーが来たのでもうむちゃくちゃだと思いつつ移籍してみた。メッシしか知らなかった。スペインリーグはバルセロナ以外はライセンスがとれなかったのか対戦相手がみんな架空のカラー名つきのチーム名ですごくしらけた。やはりチームは連戦連勝だったけれど前よりは割と接戦が多かった。

正直なにが面白いのかよく分からなかったのでこの時点でゲームをやめることにした。

もっと試行錯誤させてほしい。AIが最適な戦術を選んでくれるのが興ざめなので、最初はオーソドックスな戦術に設定しておいてほしい。でコーチとか選手自身からヒントみたいに提案を受けていって戦術を練り上げていきたい。そうすると、結果的に言われたとおりにやったとしてもいくらか自分でやった感(!)が出ると思う。コーチや選手がそれぞれ自分勝手なことを言っても面白いと思う。運よく才能のある選手を発掘してスカウトできたらその選手を中軸に新たにチームや戦術を組み替えたりするみたいなことが出来たら面白かっただろうなあ。

AIに全部任せる監督モードではなく自分で操作するモードでも基本的にやることはそんなに変わらない(と思う)。一度に操作できる選手は一人だけなので、他の選手はあらかじめ設定しておいたフォーメーションや戦術に合わせて動く。

交渉のシステムが分かりづらかった。自分のチームの選手が他のチームから狙われることがあって、移籍金が支払われたら移籍されてしまうので、できるだけ移籍金を上げる契約を選手と結ばないといけないらしい。もちろんこっちも他のチームに移籍金を払って選手を奪うことが出来る。交渉は一回では終わらず、まず相手に条件を伝えて反応を見ることになる。うまくいきそうだとなると交渉成立を選ぶことで成約する。というか今もシステムがよく分かっていないのでフワッとしか書けない(笑)。ちゃんと契約を結んだつもりが結べなかったことがあって混乱した。

同じ監督目線でも初代サカつく(セガ「Jリーグ プロサッカークラブをつくろう!」)はすごく面白かった。最初はなかなか勝てないけれどチームを強化していくと着実に強くなっていくのでやりがいがあった。くせのある選手はすぐヘソを曲げてしまい、話を聞くことにしてもちゃんと話の内容を覚えていないと急に質問されて答えられなかったら選手からの信頼を落とすのがウケた。ベテランになるほど長期契約を結びたがったり、選手同士にも相性があって仲の悪い者同士をそのままにしておくと互いに不満がたまっていってチームを出て行ったりした。またやりたくなってきた。

というわけでこのゲーム、よく出来たサッカーシミュレーションエンジン(?)が動いていることにはちょっと感動したものの、プレイヤーが有利になる謎要素があったり、賢すぎるAIがゲーム性を希薄にしてしまったりと、ゲームとして遊ぶにはさっぱり面白くなかった。自分が遊び方を掴めなかったからなのかもしれないけれど、ネットで調べても遊び方に関する記事でいいのがあまりなかったので、手を出すんだったらこのシリーズをよく知っている友人を見つけてからのほうがいいと思う。
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