のだめカンタービレ |
音大生の二人、のだめこと天然の女・野田恵と、ピアノとバイオリンの天才的な才能と技術を持つものの指揮者を志す千秋真一と、その周辺の人々の話。彼らが演奏する音楽はモーツァルトやベートーベンなどのクラシックだけという、いままであまり無かったクラシック音楽家たちの物語。
のだめの天然ぶりが非常に好ましい。ボケていて不潔で掃除も料理もできない。わけのわからない奇声をあげる。友達の弁当を盗む。
一方、千秋真一は生真面目で無愛想でぶっきらぼう。学内からは千秋さまと慕われる。だから本来のだめのような女は無視するかと思いきや、徐々に引き込まれて…というありきたりといえばありきたりな流れ。
そんな千秋真一に、のだめが最初からラブ全開なのが面白い。はいこれプレゼント、好きデス♪と、どさくさにまぎれて好意ぶつけまくり。このカタカナまじりの台詞まわしが、定番だがのだめの雰囲気をうまく作り出している。
主要登場人物に、いろんな正確の登場人物がいて色とりどりでいい。脇役もSオケがいい。主要登場人物は基本的に全員才能があって腕のいい演奏家ということになっていて、コンクール優勝歴がどうのとワンパターンな流れを危惧したが、気持ちや楽器のブレ一つで演奏が変わったりする描写があって深みがある。
エロジジイだけど名指揮者のシュトレーゼマンは、それなりに楽しませてもらったけど、ちょっと安易だなあ。音大ピアノ教師二人に味があるだけに、もうちょっと描写をセーブしてほしかった。
話を分けるなら、R☆Sオケが始まるまでが第一部で、主に音大内の話。巻数で言うと6巻の途中まで。ここまでが一番面白い。R☆Sオケ編が第二部で、ここらへんから大きなコマが増えてページを繰るのが速くなる。渡航してからが第三部で、現時点で最新刊の10巻の段階でまだ始まったばかり。
とりあえず二巻目までは読んで損はない。イケると思ったら5巻か6巻まで買ってみると良い。先が気になったら9巻まで買う。その後の展開が待ちきれなければ、10巻を買ったり、掲載誌を追うしかない。
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