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ネオアトラス3
ヨーロッパが船で本格的に世界進出し始めた大航海時代に、ポルトガルのリスボンの商会を率いて探検に貿易に乗り出し、世界地図を書き上げ幻の財宝を見つけたりすることが目的のシリーズの最新作。

最新作といっても出てから三年以上たち、既にベスト版に入っており、三千円以下で買える。

私は初代 the ATLAS からやっていて、ネオアトラスになってからもそれの一作目をやったことがある。ネオアトラス2はやったことがなく、3になって PlayStation2 になり、初めてポリゴン化されたとのこと。

ただなんといってもこの作品を特徴づけるのは、フラクタルで描かれた拡大しても拡大しても自然な海岸線で描かれる、現実世界とは異なるランダムに生成される大陸や島、都市や村落に特産品。狙って探検すると大西洋すら内海に出来てしまう自由度(これをやってしまうとゲームオーバーになるらしいが)。

コーエーが大航海時代というシリーズを出しているが、それとの明確な違いはランダム性だろう。このランダム性が、一部のマニアの心を激しく揺さぶったに違いない。プレイするたびに異なる世界が出来上がる。

ただし、そのランダム性にゲームが左右されてしまうという欠点もある。都市や村落が無ければ、探検の続行が不可能になる事態すら起こる。また、バグなのかわざとなのか知らないが、重要なイベントの起こる都市が生成されたりされなかったりしてしまうという。私がやったときは、南米インカ帝国の首都だったクスコが生まれず、イベントがだいぶ削られてしまった。それもまた一興と思うしかない。

ただ、これでもシリーズが進むにつれて改善されてきた結果である。以前は、都市や村落との友好度が悪いと寄港すらできなかった。貿易したり船隊が停泊するには商館などの施設を建てる必要があった。貿易するにつれて友好度を上げていき、ようやく施設を作れるようになったりと、苦労が多かった。今作では金で解決できるようになっている。

なかなか陸が発見されなかったことが多かったが、今作では割と頻繁に陸が発見されるようになっている。いやむしろ陸が生成されすぎだとの声を多く聞く。陸ばかりだと貿易がしにくい。

ほとんど探検と貿易ばかりだったところからシリーズはスタートしたが、今作までくるとついにイベントのツリーまで見せてくれるようになった。当時の時代背景と結びついた面白いイベントがいくつも用意されている。

提督は全部で五人いる。減ってはいるが、まあこのぐらいが管理できる上限だろう。個性的な提督ばかりで、航海日記風の報告は毎度楽しめる。特に学者提督ペレスと水夫長のやりとりは微笑ましい。ちゃんと展開が進むようになっているのだ。最初は大声を立てるばかりのがさつな水夫長に、学者のペレスはあきれるばかりだったが、次第に理解しあって尊重しあうようになるという展開には、おおげさかもしれないが感動すら覚えた。

と主に利点ばかり挙げていったが、欠点も多くある。一番ストレスを感じたのは、時間がとめられないこと。広大な内陸部をちまちま調べているあいだにも、提督が港に帰ってきて強制的に画面が移動される。セレクトボタンを押すと元の場所に戻れるのでそれを活用するとだいぶマシになるが、連続で港に戻ってこられるとどうしようもないし、明らかに時間にせきたてられている自分がいる。

ポリゴンにする必要はあったのか?という古くからのファンも多いみたいだが、私は成功してると思う。テカテカのポリゴンではなく、トゥーンレンダリングでなおかつ時代がかった3Dグラフィックスに、これ以上なにを求めようか。ポップ感まであるのは芸術の域ではないか。このグラフィックスで、シリーズの特徴である変な生き物や文化が描かれる。今回笑ったのは、ジパング近辺の「やまんば」がエッグポーズをしていたことだろうか。軍隊コアラなどおなじみのもニヤリとさせられた。

北極と南極の付近が重い。△ボタンを押してスクロールを速くするのはぜひ使いこなしたほうがいい。終盤まで使わなかった私はイライラしていたが、ちゃんとこういう機能を用意してくれていたのだ。重いのは多分ポリゴン数が多くなるからだろう。ちゃんと最大縮尺で地球が丸々画面に納まるようになっている。細かいオペレーションに不満は覚えるものの、すべてはこのためかと納得させられた。

多分やる人を選ぶのだろうけど、アレルギーのない人はぜひやることを勧める。安いのでちょっとやってみる程度でも元が取れると思う。途中から単調にはなるが、なぜか続けてしまう。地図を描くという目的があるからやってしまうのだ。

実のところ今作3よりも2の方がネットでは評判がいいみたいなのだが、どうなのだろうか。2はパソコン版が今年夏ごろに出たそうなので、そちらをやってみるのもいいかもしれない。
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