ぼっち・ざ・ろっく! 3巻の途中まで |
高校生の女の子の後藤ひとりは中学一年生のころからギターを始め、バンドをやってみんなと仲良くなることを夢見ていたが、誰からも誘われず一人で動画サイトに演奏動画を上げ続ける暗い日々を送っていた。そんなあるとき、たまたまギターの抜けたバンドに誘われ参加するが、長年くすぶっていた「ぼっち(ひとりぼっち)」の習性はなかなか治らないのだった。萌えギャグマンガ。
2022年10月からアニメ化され、当初はあまり注目されていなかったのだけど徐々に人気が出て評判が上がってきたので、自分も録るだけ録っていた録画を見てみたものの、あまりにつまらなかったので確か7話か8話までで見るのをやめた。たぶん評判になってなかったら普通に3話で切っていたと思う。アニメのテンポや空気感が自分に合ってなかったんじゃないかと思い、原作マンガを読んでみることにしたが、やっぱりつまらなかった。
ぼっちネタがどれもしょうもなさすぎる。これ共感できる人いるの?ってそれなりにいるみたいなんだよなあ。ガチのぼっちネタをぶっこむとガチでヘコむ人が多そうなのであえて大げさにおどけてみせることで読者を慰撫しているような気がする。絶妙にリアルなぼっちネタなんてみんな笑えないだろうし。
こいつはギターを練習するぐらいしか時間の使い道がないので一日六時間も練習し、リクエストされたときに応えられるよう最近の流行曲を全部コピーしている。そしてその成果をいわゆる「弾いてみた動画」として「ギターヒーロー」名義で動画サイトにアップし続けた結果、なんとチャンネル登録者数8万の人気者になってしまう。
でも家で一人で弾くのとバンドで弾くのとでは勝手が違い、バンドではみんなに合わせて弾かなければならないのでなかなか実力を発揮できない。でもなにかゾーンに入るというか覚醒すると素晴らしいプレイをするだとか、じつはネットの一部で有名な「ギターヒーロー」なんじゃないかとの身バレの危機があったりするのでワクワク感がある。まあ大したことにはならないんだけど。
ドラムの伊地知虹夏はバンドやってた姉が経営しているライブハウスを盛り上げるために自分もバンドをやろうとしている妹キャラ。ベースの山田リョウは家が金持ちだけどヘンな金の使い方をする寡黙な変わり者。ボーカル&ギターの喜多郁代は明るい人気者だけどギターが弾けるとウソをついてバンドに入り気まずくなって一度逃げ出している。
そこそこ有名な実力派バンドをやっている先輩が破天荒な性格をしていて突拍子もないエピソードにあふれているだとか、格上のライバルバンドのメンバーが主人公たちのバンドをやたら警戒していたりひねくれた愛情を持っていたりと、芳文社キララ系のぬるいキャラ設定にうんざりする。キャラクターがみんな弱すぎるかステレオタイプすぎて全然好きになれなかった。変人キャラがうざい上に雑すぎる。
絵もキララ系のハンコ絵だった。主人公のぼっちちゃんがテンパりすぎて顔がバグることがあるのだけど、なんか雑な絵にしか見えなくて愛着が持てなかった。
なんかコンテストみたいなものに出る流れになるのだけど、それって本当にバンドのみんなの願いなのかなと疑問に思った。というかそもそも各登場人物がそれぞれなにをしたいのかあまり実感できなかった。こいつらみんなフワフワバンドしてるだけにしか見えない。
文化祭で一弦が切れて二弦のチューニングが狂うシーンがあるんだけど、それで急にワンカップの瓶でボトルネック奏法なんてできるもんなんだろうか。あんな太い瓶をがっちり手で持って弾けるか?自分も以前弟のを借りて弾いてみたことがあるけど、瓶の口に指を一本入れて親指はネックを支持しないと弾けないと思う。というかぼっちのレパートリーにそんなのあるはずがない。それだったら三弦以下で適当なフレーズを弾く方がまだ現実味があると思う。っていうかあれ見て弦楽器のしくみとかボトルネック奏法による解決とかパッと理解できた人はどのくらいいたんだろうか。その前にギターろくに弾けなかったやつがアドリブでつなぐシーンとかあるし。なにからなにまでうそくさい。
というわけでこの作品はとにかく萌え四コママンガを消費したい人しか読まない方がいいと思う。
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