ブラックホークダウン |
紛争の起きていたアフリカのソマリアに国際協調のもとで派兵していたアメリカが、独裁者として扱っていたアイディード将軍の側近を単独で捕獲しようとした、計画ではたった一時間で終わるはずの作戦が、一機のヘリの墜落とその乗員の救出のために泥沼の市街戦にハマっていく話。
いろんな賞を取った作品だというから、社会派な話を期待していたのだが、ほぼ純粋に戦争モノになっている。そこは結構拍子抜けしたが、私がこれまでに見た中ではもっとも緊張感に満ちたすごい戦争映画になっている。
この作品の一番のみどころは、今はもっと進化を遂げているのかもしれないが、現代アメリカ軍の局地での戦闘のやりかたがよく描かれているところだろう。衛生からの映像をもとに、輸送ヘリと装甲兵員輸送車と歩兵で構成された戦闘部隊をゲームのように操って戦う。しかしそのコマとなっているのは生の兵士であり、装甲車の銃座に剥き出しに座っている兵士が、市街地に潜む敵兵にやられたりして、車内が血まみれになってこれ以上の進軍は不可能だと報告するシーンが印象に残った。
この作品にはどんな思想があるのだろうか。やはり表題にもなっているとおり、兵員を下ろし終わったあとに地上部隊の支援に周っていたヘリ・ブラックホークの、たった四人(?)の乗員を助けるために、地上部隊が一昼夜も戦闘を繰り広げ、ソマリア人千名以上とアメリカ軍19名の死者を出してしまったことに焦点を当てているのだと思う。この点についてはっきりと解説されているわけではないが、これ以外にメインテーマはないことが明らかだろう。ちょうどプライベート・ライアンのアンチテーゼになっているところが面白い。
ここで私がグダグダ解説してもしょうがないことで、この映画を見た人は、この作品に対してそれぞれ色んな想いを抱くことになると思う。そのことがこの作品の、映像作品として優れた点だ。分かりやすいし。
そんな王道を行く作品に仕上がっていて、素晴らしいと思う。ただ、国際社会の中のアメリカの横暴という視点がほとんどないところは残念。一応冒頭に人道援助とか内戦だから介入するなとか言ってはいるのだが、あまり露骨に社会派にしたくなかったのだろうと好意的に解釈したい。
音楽かなりいい。スティーブ・ヴァイが作るエキゾチックなメタルのような、緊張感に満ちたゴリゴリしたいい雰囲気をかもし出している。
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