| Tropico 5 |
大統領となって南国の小さな島国を統治する都市開発シミュレーションゲームシリーズの第5弾。大統領がファミリーになったほか、時代やテクノロジー研究や戦争といった4Xゲームの要素も取り入れているのが特徴。
だいぶ前に1をやっておもしろかったので、セールされていたときにとりあえずこの5を買っておき、やっとプレイした。まあまあおもしろかった。ちなみに既に7も出ていて8ももうすぐ出るっぽい。
前に1を紹介したときは、都市開発シミュレーションゲームの代表例としてシムシティを挙げて違いを説明していったのだけど、もうこのジャンルはシムシティの存在感がなくなって代わりにCities: Skylinesシリーズがメジャーになったので様相が変わった。街に住む人々が一人一人シミュレートされるのはもはや当たり前になってしまった。
題のとおりトロピカルな島国を舞台にしており、もう露骨にキューバをモデルにしている。ほかにグアテマラやパナマやアフリカや北朝鮮みたいな独裁国家全般を取り入れている。
本作で時代の概念ができ、まずは植民地の総督として島を統治することから始まる。本国の王様の気まぐれに左右される中で、総督としての任期を気にしながら解任されないよう指示にある程度従いつつ島を開発していかなければならない。
そのうち独立イベントが発生するとめでたく独立国となるのだけど、今度は国民のことを気に掛ける必要がでてくる。そうしないと暴動が起きてクーデターにより政権が転覆させられたり、選挙に負けて追い出されたりするから。
このゲームの基本は、作物を育てたり資源を採掘したり加工したりして海外に輸出してお金を稼ぐこと。島によって多少資源に偏りがあるほか、ゲームの状況によって貿易相手国がどんな交易を求めてくるのか変わるため、それに合わせて島を開発していく必要がある。
バナナやココアといったプランテーション作物を育ててそのまま売っても大した儲けにはならないため、綿やウールを繊維に加工したり衣料品にしたりしてより高く売ることを目指す。ただしそれには労働者に求められる教育レベルも上がっていく。
このゲームのメインはキャンペーンモードつまりあらかじめ決められたシナリオに従ってゲームを進めていくことになる。サンドボックスモードといってシナリオにわずらわされずに開発に集中できるモードもあるのだけど、基本的にはキャンペーンで遊んだほうがいいと思う。というのもキャンペーンだからといってすでに作られた島でプレイするのではなくて(まあちょろっと開発されてはいるのだけど)、プレイヤーが好きなように開発できるから。
キャンペーンモードはステージ制になっていてクリアの概念が存在するんだけど、クリアしたからといって開発した島がおしまいになるのではなくて、次のステージに持ち越される。ただし、二つの島を交互にプレイしていくので、一つの島をじっくりと開発していけるわけではない。
実のところ自分はサンドボックスモードで遊んだことがないのでよくわからないんだけど、キャンペーンモードをプレイしていてこれキャンペーンじゃないと起きないイベントだろうなと思うことがたびたびあった。これらのイベントはゲーム上の制約になる半面、開発をブーストすることもある。また、実際の歴史上のできごとにもとづいており、それなりに楽しかった。シナリオもちょっと熱いのでやってみるといいと思う。
普通の都市開発シミュレーションゲームだと、街づくりをうまくやらないと人々があまり住みつかなかったり、出ていってしまったりするぐらいなんだけど、このゲームだと暴動が起きたり選挙に負けたりして普通に島を追い出されることがある。そうならないためには、人々の不満をやわらげたり、逆に抑えつけたり(!)する必要がある。
選挙制度すら変えられるので、富裕層だけに選挙権を与えて優遇したり、逆に普通選挙にして社会保障を充実させる一方で富裕層には重税を課すこともできる。警察国家にすると警察官の数だけ自分に投票させることができる。メディアを支配することもできる。
普通に軍隊が使えるので、民衆がデモを起こしたら軍隊で鎮圧することもできる。もちろん要求を聞いてやったり、賄賂を贈って解散させたりすることもできる。反体制派が蜂起したり、外国が攻めてきたりもするので、国を守るためにもなにかしら軍隊が必要になる。ちなみに軍隊自体にも忠誠度があり、低くなりすぎると軍の一部がクーデターを起こすことがある。軍隊の規模は軍事施設に勤める人の数で決まる。
ほかにもいろいろと政策を布告できて、単純に減税したり、海外との技術交流で研究ポイントを得たり、開発を有利にしたり、人々の満足度を上げたり、とにかくいろいろできる。ありすぎてとても全部説明してられない。まともな政策もあれば、いかにも独裁者がやりそうな政策もあり、プレイヤーの好きにできる。
テクノロジーを研究していくと建物や政策がアンロックされて使えるようになっていく。研究を進めるには図書館や大学などの研究施設で人々を働かせる必要がある。こういう施設には人々の教育レベルが求められるので、高校や大学を建てて育成する必要がある。これを怠ると、よくわからないうちに島が発展せず悩むことになりがち。
1のときと同様に裏金という概念がある。1は島を発展させる以上に大統領が個人資産を貯めるのが目的だったので、島の財産とは別にスイス銀行にある大統領の個人資産があってスコアの役割を果たしていたがそれだけだった。本作5になって個人資産に用途ができた。大統領一族の能力を上げることができるほか、イベントを有利に進めるために使うこともできるようになった。ただ、扱いが難しいのでちょっと消化不良な感じがした。イベントの報酬を裏金で受け取りすぎると表の金が足りなくなるかもしれないので気をつけないといけないのだけど、それもイベントの匙加減なので判断が難しかった。
大統領ファミリーは育てておくと管理者として使え、他の管理者と同様に施設の効果を少し上げることができる。まあ市民からも多くの管理者が出てくるのでそこまで必要ない感じだった。管理者には「採掘王」「セレブリティ」「諜報員」みたいにそれぞれ特徴があって能力が決まっている。
国民一人一人にも収入があって、それによって住める場所も変わってくる。賃金の安い仕事しかないのに高級住宅地を作っても住んでくれない。そういうときは職場の収入を上げたり住宅の予算を下げたりするとマッチするようになるかもしれない。もちろん収入の高い職場から人が埋まっていく。ただし小卒の人間は高卒が求められる職場では働けない。
ゲームについて一通り説明したので、ここからは批評に入る。
独裁国家をおもしろおかしくからかいすぎだと思う。独裁者の気まぐれにより普通の国ではありえないバカげたことが起きてしまうのをこのゲームは茶化しているんだけど、一方でキューバでは国民が医療を受けやすかったり、リビアのカダフィ大佐は原油の収入を国民に還元していたりと良い面も多くあった。資本主義国家についても一応はパロディの対象になっているけれど弱いと思う。
鉱山なんかは思ったより早く枯渇してしまう。じゃあどうするかというと、輸入すればいい。ただ、キャンペーンモードで輸入のシナリオがなかったので結局自分はやらなかった。輸入も相手次第なので戦略性があり、やってみたかった気もする。輸入しないなら枯渇しない資源に頼ることになる。たとえば観光資源とか。
声優の演技がちょっと古くてベタな感じはするけれど情感が合ってよかった。特に副官のペヌルティーモはガキデカみたいな顔してて大統領に媚びながら毎回アホみたいなギャグを飛ばす。ただ、反体制派の人々といったいわゆるモブ役の演技が素人臭くてちょっと聞いてられなかった。「なんだいアミーゴ」とかナメてんのかと思った。
このゲームの詰みポイントは大きく以下の三つだと思う。
1. 選挙に負ける
2. 反体制派や外国勢力に自国の軍隊が負ける
3. 高卒大卒の人材が足りなくなる
この三つにさえ注意すればあとはどうとでもなる。あまり詳しく説明してしまうと興をそいでしまうので最低限にすると、選挙はただ人々を満足させる以外にもいろいろと方法があるので考えてみるといいと思う。ちなみに自分は何度も選挙に負けてゲームオーバーになった。選挙は何年かに一回しかないので、こまめにセーブするのがおすすめ。最悪選挙自体をしないという選択肢もある。いまのウクライナみたいにw もちろん人々の不満がたまり社会情勢が悪化していく。
軍隊は軍事施設を建てたりアップグレードしたりしていけばどうにかなる。そのためのお金を稼ぐほうがむしろ重要だと思う。一点ハマりポイントとして、憲法の選択肢の中に高卒以上でないと軍人になれないというものがあって、島の教育レベルが低いと一気に軍人が足りなくなるので注意。また、軍人にも支持率があるので注意。
教育レベルは先手を打って学校を建てていくしかない。高校はプレイのしかたによっては一つじゃ足りなくなる。また、高校や大学自体も人々に教育レベルが求められるため、足りないときは金払って外国から人を招く選択肢もある。気を配ってないとリカバリーに時間が掛かるので注意。
島には未探査領域なるものがあって探索の必要もあることから、いわゆる4Xゲームに限りなく近くなっている。もう都市開発シミュレーションゲームとは言えないような気もする。街を作りたいだけなら別のゲームを遊んだほうがいいかもしれない。
音楽がだいぶコッテリしている。南国かつスペイン風?すごく雰囲気があっていいんだけど、ループしてるだけなので飽きてくる。
反体制派のリーダーを捕らえるというタスクがあったんだけど、自分は結局達成することができなかった。あるいは知らないうちに達成していた。まず警察などに摘発させた上で拘束する必要があるみたいなんだけど、よくわからなかった。島のデータから反体制派のメンバーを一人一人確認でき、選択したら追放したり逮捕したりするのをメニューから選べるんだけど、逮捕を選んでもなかなか逮捕できなかった。刑務所を建てると自動的に逮捕することができるようになるんだけど、結局リーダーは捕らえられなかった。
資源を掘ったり商品を作ったりして外国に輸出するにも物流の概念があって運送業者が必要になる。最初のうちは一つ建てておけば十分なんだけど、そのうち足りなくなって流通が滞ってくるので二つ三つと建てていく必要がある。足りてるか足りてないか判断するための指標がなかったのでわかりにくかった。
貿易の収支がどうなっているのかも把握しづらかった。6か月単位で船が往復して収支を産むんだけど、決算とかないので個々の貿易品が収支を産むたびにお金が増減する。急にドンとお金が入ったかと思ったらしばらく入らなかったりとかざらだった。各種政策もそう。どこかに情報がまとめられているのかもしれないけど、よく調べてないのでわからなかった。
マルチプレイもできるみたいなんだけど、やってみたいとは思わなかった。配信とか探してみたらやってる人いるんだろうか。
ちょっとクセの強いゲームのように思うけど、システムがよく出来ていてコンパクトでわかりやすいと思う。近現代史の勉強にもなるし(?)、経済や外交や戦争、大国の論理みたいなのもわかってためになる。一本目の都市開発シミュレーションゲームとしても勧められるのでぜひ遊んでみてほしい。
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