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90年代のアイドルとして有名な内田有紀の、歌手デビューの多分二枚目のアルバム。アイドルをフィーチャーしたガールポップで、色々な曲調の曲が手堅くまとめてある。

私は内田有紀が大好きだった。私の中のアイドルと言えるのは多分内田有紀だけだと思う。その内田有紀が出したアルバムなのだから、買わないわけがない。

一方私は音楽大好きな人間である。たとえ私の中のアイドルとはいえ、音楽として聞いてダメならダメと評価を下すことにためらいはない。

前置きが長くなったが、この作品は本当によく出来ている。曲がいい。編曲がいい。詞もいい。歌は技量的には下だが、アイドルとしての内田有紀の魅力は十分に詰まっている。

ただ一つハッキリ欠点として挙げておくと、生楽器がなさげで、全部シンセサイザーで編曲してるとこだ(多分)。これが生楽器だったらなぁ。そうだったらこの作品は私の中のガールポップナンバーワンだったかも。

逆に言うと、シンセサイザーだからこそ、生楽器の演奏者に左右されず、緻密に編曲できたのかもしれない。だってスタジオミュージシャン使うと楽譜にはあんまり書かないみたいだし。私は常々、編曲こそが音楽の全てだと思っている人間なので、クラシック音楽のように全パートを作編曲者が決めるべきだと思う。まあ各パートのことなんて一人で見切れないし、演奏家が一番楽器のことをよく知っているのもまた確かなのだけど。

というわけで、私と似たような趣味を持っている人には、このアルバムぜひお勧め。といっても今から手に入れるのは難しいだろうなあ。

で、最後に、なぜ内田有紀が売れなかったのかというと、やはり支持層が狭かったからに違いない。特に同性からの支持は当時はほとんどなかっただろうからなぁ。男からの支持も特定の人だけだろうし。いま内田有紀みたいなアイドルが出てきたらひょっとしたら売れるかも、と思ったりもするが…。やっぱ無理なんだろうな。
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