E-MU 0404 (CPE0404SE) |
サウンドカードなどで有名なCreativeがE-MU Systemsを買収したあとに同ブランドで出したコンピュータ音楽製作系に特化したサウンドカードの一番廉価なもの。実売一万円を切る価格で優れたスペックに豊富なバンドルソフトのついたお買い得製品。
DTMとかMIDIは著作権の影響で衰退したと言われているが、最近ではDAWと呼ばれる総合的な音楽製作環境として細々ながらも素晴らしい進化を遂げている。藤本健という人の紹介記事で気になり、ついに買ってしまった。
本製品のハードの性能としては、確かに優れてはいるがそれほど分かりやすくない。24bit/192khzというのは一昔前と比べると恐ろしい性能ではあるが、そんなの聞き分けられるほどのアンプやスピーカーや何より耳がなければ意味がない。CDが16bit/44khzなのだから当然だ。
特筆すべきはバンドルソフトだ。まずDAWとしてSteinbergのCubaseやCakewalkのSONARなどのバンドル版がついている。これらのソフトがあれば、一昔前であれば十万円ぐらいしたシーケンサと呼ばれるソフトと同じ機能を使い、MIDIキーボードでホホイと弾いたメロディを切って張って整えて編集して曲が作れる。これだけのために私の知り合いは当時高価だったMacも含めて80万ぐらい使っていた。それに加え、生楽器を単独で録音したものを数十チャネルで管理し切って張って加工して重ねることができる。
さらにこれらのソフトにはプラグインがある。ドラムやベースやその他楽器の音をソフトウェアで出すことが出来る。いわゆるソフトウェア音源だ。また、様々な音響効果を自在に掛けられる。さらにバンドルソフトとして、ギターのマルチエフェクタのような機能を持った製品AmpliTubeのバンドル版まであり、プラグインとしてしか使えないがDAWソフト上で設定すれば単独製品のような使い方も出来る。
私の場合は、昔買ったUA-3にギター入力端子があるので、そこにギターを挿して入出力をいじってうまいこと使うことが出来た。本製品単独ではライン入力と光入力しかないので工夫する必要がある。エフェクトは色々あって、細かくパラメータをいじったり、プリセットのものを利用したりできる。MIDIだけだとどうしても不満のあった生ギターが好きなだけ使える。これも昔はハードディスクレコーディングと言われ非常に高価だった。十年前は80MBのハードディスクが十万以上した。
MIDI楽器のほうは、十年以上前に買ったRoland JV-30を引っ張り出してケーブルでつないだ。まだちゃんと動いた。Cubase LEにはまだJV-30の設定が付いていた。友人が持っていたKORG M1のもあった。
これで好きに音楽が作れる。あとは腕と才能だけ(笑)。
というような確認作業だけとりあえずやってみた。私が昔使っていた環境とは雲泥の差だった。
だけどちょっと難しい。入出力の設定には慣れが必要だと思う。私も何度も試行錯誤した。ハードウェアの不調が重なるので、正しい手順を踏んでいてもうまくいかないことがある。ASIOという規格のドライバがなかったり、ないなりに動かす方法があったりと、考えなければならないことはいくつかある。
この環境をこれから使うことが出来る人は幸せだなと思う。でもこういう環境があるからこその苦労もきっとあるだろう。私の世代だって、以前の世代の人たちからすれば、PSGだのFM音源だので制限事項が多かったことから比べれば天と地ほどの違いがあった。私の場合はちょうどPCM音源が出た頃だったので、少ないメモリでなるべく豊かな音源を構成するのに苦労した。といってもライブラリがあったのでそこから抜粋したりも出来たのでまだ楽だったし、便利なフリーソフトもあった。それでも自分の作ったソフトで音楽を鳴らすためにわざわざライブラリを作ったこともあった。
さて、これから音楽製作をしたい人にとって、最低何が必要だろうか。まずDAWソフトは欠かせない。単独で買うと三万ぐらいするので、まずはバンドル版がいいだろう。となると適当なハードウェアを買わなければならない。であれば本製品は安くてお勧めだ。残りの製品は適当に見繕えばいい。
生楽器だけで作りたい人なら、少なくとも生楽器の音を拾うための装置が必要だ。一番いいのはミキサか。アンプシミュレータ回路さえあればそのまま突っ込めばいい。
MIDIで作りたければ、DAWソフトだけでもなんとかなる。スコアエディタのように譜面で打ち込める機能もある。でもMIDIキーボードがあると楽だろう。鍵盤数の少ないものなら一万円ぐらいで手に入る。音源がついたものやUSBオーディオデバイスのついたものもある。DAWソフト自体が付いてくるものもある。
本製品は値段相応を考えれば特に不満はないが、気になる点はいくつかある。まず専用ケーブルで各種入出力をカードから引っ張り出さなければならないこと。コードがダメになったらそれっきりと思ったほうが良い。上位製品はドーターカードでじかにカードに端子がついちえる。192khzというのがアナログだけで、光出力は96khzまでというのもわずかに不満。私の持っているDACのDA53が192khz入力できるからだ。PCIカードだからPCIに空きがないとダメ。本当はメインマシンにつけたかったが断念した。
おっとそれなりに大きな不満が一つあった。DirectSoundに対応していない。これは公式なスペックでメーカーのページに断りがある。FF11をやってみたところ、BGMは鳴るが効果音が鳴らなかった。人によって逆のケースになることもあるようである。
光の信号をスルーできないそうなので、5.1chをそのまま出すことが出来ないらしい。私はAVアンプを持っていないのでまったく問題はないが、将来性という点ではわずかに気にならなくもない。
金のない学生さんや、昔を懐かしんでちょっと今の素晴らしい音楽製作環境を試してみたい社会人に勧めたい。
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