トルコ |
現在はトルコに落ち着いている放浪の日本人フルヤという人が、メーリングリストや BBS で話してくれるトルコ情報。とにかく面白い。向こうで暮らして常時トルコの社会や人々と接していて、日本人には見えないほど現地に溶け込んでおり、一方的な賛美の目で見る凡百のレポートを蹴散らす迫力がある。
最近では、サッカー FIFA ワールドカップの決勝トーナメント第一回戦で日本がトルコと当たることになり、現地でのトルコの人たちのことを書いている。強気なトルコ人が意外にも日本をおそれているらしい。基本的にトルコは親日らしいのだが、なぜかメキシコ五輪で日本が銅メダルだったころを持ち出して、戦後の経済復興とあわせて「まったく訳のわからない分析」をしつつ、友好国と戦うことにとまどいを感じているようなところがあるらしい。しかし一部の欲求不満の連中がいて、街中ですれちがうアジア系にいやがらせをしてきたので「制裁した」との気になる発言も。
トルコ人にとって日本はあこがれの国の一つなのだそうだが、それでも勘違いがすさまじいということを紹介してくれる。「中国と韓国は日本なんだろ?」「侍と芸者は今の日本人と上手くやっていってるのか?」「今一番興味が或る国は日本、カンフーについて勉強したい」となんとも笑える。あの 9・11 のいわゆるテロ事件のときに、トルコのあるテレビ局ではなんと「この一連のテロは日本が原爆の報復として行った」とまじめに議論していたらしい。
この人は、アメリカかぶれの日本人が日本のことをボロクソに言うのと似たように、ヨーロッパかぶれ、いや過剰な自信に満ち溢れるトルコ人をボロクソにけなしている。トルコの男はとにかく男として見られるためにヒゲをはやし、外見は子供っぽくてもまるでおじさんのようにふるまうのでこっけいだ、とか、基本的に女性のことをよく知らないので口説くときは愛を口にするが肉体衝動を愛だと思っているだけ、などなど。
一方で、トルコを擁護するときもある。日本テレビの「進ぬ! 電波少年」という番組で、「電波少年的飛んでイスタンブール」という企画で、これまでモテてこなかった日本のぶさいくな女の子をトルコの素敵な男性と結婚させる、という悪趣味な企画がトルコで国会にもとりあげられるほど騒ぎになった模様を、番組放映前に紹介したこともあった。このときばかりは日本の軽薄なテレビ局を批判していた。
ただけなすとか擁護するのではなく、深い教養のバックグラウンドを持っている。トルコが、大胆に近代化・ヨーロッパ化を進めてきた裏で、いつまでもイスラム教の保守的な部分にとらわれた、もしくは古い文化を守ってきた、そういう事情をだいたい理解した上で、トルコのいまを鋭く分析している。分析というか、気ままに書き綴るといったほうがいいかもしれない。
この人は、絵に描いたようなインテリ・アウトローである。自ら境界性人格障害と言っているのだが、文章になんともいえない味があり、その雰囲気を伝えるには引用が一番だろう。ちょっと長いので怒られるかもしれないが、
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それから有名なジャイアンツ・コーズウェイを見にポートラッシュという、北部の突端にある小さな街とも呼べない村程度のところに行きました。ここは別荘地のように真っ白な海岸線沿いにお決まりの庭付き2階建てチムニ―ぴょこんの英国式住宅が立ち並ぶところで、観光のために滞在するだけ。見所は特に無いのだけど、この場末感とユースの夫妻と宿の雰囲気がどうも立ち退く足をふみとどませる、妙な居心地があります。ここではやっぱり娯楽がないから暇を持て余した若者達がリビングにつどい、談笑するのですが、とある某アジアの島からやってきた美少女と知り合い、意気投合。随分仲良くなったのですが、生い立ちと背景を聞いていると、もしかしたら一緒にベッドに入った後に「祖父ノ仇トラバ!」と寝首を掻かれるか?というくらい、帝国陸軍遺産の被害者であったわけで、一気に気分が冷めて身の上相談云々。機会を逃した間抜け男は空腹のため、自炊キッチンでミラノの友人直伝のアラビア―タを作っていると、スィエナ出身のイタリア娘が流し目で煙草を吸っている!これはしめた、とご馳走したのですが、話し好きの彼女、こちらがシェリーの飲みすぎでふっ倒れても続けるので結局アドレスを交換して、翌日の朝「アンタのパスタはマンマのより美味しかったワ」と聞いてロンドンデリーへと出発。彼女とは今でもメールを交換しております。女の子を物にしたければ、男は非情で酒に強く、抜け目なく有らねば為らぬ様で。小生手に余る次第でアリマス。
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とてもかっこいい。
こんな人がトルコを選んで住んでいるのだから、トルコはよほど魅力のあるところなのだろう。
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