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「パンとサーカス」とワールドカップ
イタリア対韓国戦で主審をしてたエクアドルのモレノという人が殺されたそうだ。30発以上の弾丸が打ち込まれていたらしい。

普段は国際社会の真実を大局的にとらえるこの紙だが、前号の中央アジア分割ゲームのつづきではなく、今回はワールドカップの裏面とくに賭け事の問題について書いている。

私は最近そんなにテレビを見ず、新聞も斜め読みなので分からないが、日本のメディアは審判問題につながりのあるこの殺人事件を報道していないらしい。6月23日にエクアドルで報道されたニュースだから、知っている人は知っていて当然のはずなのに、である。そんな日本の欺瞞に満ちたメディアを厳しく批判している。

イタリアの新聞「サン」で、ポルトガルの選手らが韓国の安貞桓選手に引き分けを持ちかけた、という報道があったらしい。朝日新聞も同じく 6月17日づけの記事で報道していた(リンクを張ろうとしたがもう切れていた)。

一方、韓国の朝鮮日報では、韓国選手の一人であろう李栄杓が釈明している。曰く、ポルトガル選手フィーゴが「軽くやろう」と言っていたということを試合後の夕食の席で仲間と話したことがだんだん大きくなっていったとのことだそうだ。しかもフィーゴは言葉ではなくジェスチャーで示したように見えただけらしい。

http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2002/06/18/20020618000006.html

なにぶん韓国のメディアなので、こちらはこちらで自国選手を擁護するような報道がされやすいとは思うが、この件に関しては疑問が残る。

タイを始めとした東南アジア諸国でも、ワールドカップを賭け事の対象として多くの人々が熱狂していたそうだ。インドネシアでは開催期間の犯罪が激減したという。それを『ローマ帝国がかつて統治の切り札として提供した「サーカス」』を例に出すあたり、ライターの教養の深さがにじみでている。

この紙、ネタを一通り出し終えたかと思ったら、冒頭でも少し触れたように、列強によるパワーゲーム・中央アジア分割の話が始まったりと、まだまだ活力が続いているようなので安心した。時間があれば、主要な特集もレビューする予定。
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