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軍事ってそういうことだったのか
軍事学の講義を連載でやるらしい。初回の今回は、内容は大きく四つ、軍事の語源、平和学しかない日本、軍服がもとになったファッション、そして米海兵隊員の人気。

作者は元航空自衛官で、自衛隊の広報誌の編集長をやった経歴を持ち、現在は聖学院大学専任講師の潮匡人。

講義だからと大学の講義らしく「軍事」の語源から攻めたのだろうが、これは気取りすぎだろう。

続いて、世界の名だたる大学では必ず軍事を教えるカリキュラムがあるのに、日本には代わりに平和学なるものしかないと言っている。だから自分が軍事講座を開くのだと言って序文にとしている。

ここからが講義開始なのだろう。最初はとっつきやすくファッションの話だ。セーラー服もチノパンもトレンチコートもダッフルコートもみんな元々軍服だったのだと言っている。私はダッフルコートは初耳だったし、将校はもともと貴族がなるものだっただとか、ファッションは上から下に流れるだとか、これ着て死ぬんだからかっこよくて当然、との軽快な語り口に引き込まれた。

最後は米海兵隊。日本のとある評論家が、アメリカでは海兵隊員は嫌われていると言ったらしいが、それは実は大間違いで、女性からキャーキャー言われる存在なんだと言っている。だからみんな妬んでいるそうだ。多分本当だろう。要所を守るのは必ず海兵隊だそうだし、海兵隊出身の要人は多いのだと紹介している。

これからが楽しみな連載だ。

一つかなり気になったのは、セーラー服の背中の襟が音を集めて聞くためにあると作者は言っているのだが、これは実はウソだという話をどこかで聞いた。本当は、海上にいると髪を切れないし洗えないので不潔になってきて、髪の汚れが服についても目立たないように、白い服の上に黒い襟をかぶせたらしい。

私が軍隊に対する見方をガラリと変えたのは、最近では「週刊アカシックレコード」の記事で、アメリカ軍のメディア戦略についての特集を読んだときだった。軍隊というと筋肉バカかせいぜい作戦オタクしかいないと思ったら大間違いで、メディア戦略に従事している将校の中には博士号を持った優秀な人材がゴロゴロしているそうだ。そういった点についても今後切り込んでいけば、作者が最後に結んでいるように、将来間違いなく防衛大学校への進学希望者が殺到するようになるだろう。
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