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KX-3P
日本ビクターでLX-3という評判の良かったスピーカーを作った技術者が、転職先の会社でまたスピーカーを作りたくなって作ったモニタライクなブックシェルフ型スピーカー。いまとなっては入手が少し難いレアメタルの強力なアルニコ磁石をコイルに使い、低音がボワつくバスレフ型ではなく密閉型のエンクロージャ(外箱)で包んでおり、高い解像度を誇る。

中高音が美しいマランツの高いプリメインアンプを買ったので、それに見合ったスピーカーを買おうと思って色々と物色していたら、2ちゃんねるのマランツスレでこのKX-3Pを勧める人がいて、色々調べてみたら結構マランツのアンプに合いそうな気がしたので、視聴せずに展示品が安かった店でいきなり購入した。22万6千円也。

買ったときに店員さんからアンプなに使っているか訊かれたのでマランツのPM-11S2と言ったら、最初は低音があまり出ないのでしばらく鳴らして様子を見てくれと言われた。このスピーカーは密閉型なので低音が控えめなのだ。言われたとおり本当に最初は音に違和感があった。なんか音の輪郭だけ際立って実がスカスカな感じがした。低音だけじゃなく中音域も弱かった。そりゃそうだ。2-wayつまりスピーカーユニットが高音用と中低音用の二つに分かれていて、高音用のほうは大してエネルギーが要らないので最初からギンギンに鳴るのだけど、中低音用の方が最初は硬いらしい。でも音の輪郭の解像度の高さに驚いた。中低域は店員さんの言うとおり聞いているうちによくなっていった。

いまではほとんどのスピーカーがバスレフ方式という低音だけスピーカーのコーンの裏側から音を何回か反射させて背面や正面の穴から出すようになっている。なぜそうするかというと、低音を出すには大きなエネルギーが必要なので、少ないエネルギーでちゃんと低音を出すためにエンクロージャ(外箱)の内部で共振により増幅させて出すから。でもそうすると低音の量は増えるけれど音がボワついて明瞭でなくなってしまう。それに対して密閉型の場合、エンクロージャを完全に密閉しているので低音がそのまま出る。なので低音が閉まってくっきりするのだけど、どうしても音量が落ちてしまう。私はズンズンくるような重低音がそれほど好きじゃないので、いまの私の好みにぴったりだと思った。

最初このシリーズは無印のKX-3から始まった。次にサランネットつまりスピーカーユニットを保護しながらも音に影響を与える網を変えてエンクロージャの木も少し変えて音を暖かくしたKX-3Mが生まれた。その次に別のモニタースピーカーの開発からプロのエンジニアのフィードバックなんかを受けてコイルやクロスオーバー周波数を変え、よりフラットな特性を持つよう調整し、さらにエンクロージャの仕上げをピアノ塗装にしたのがこのKX-3Pになる。さらに現在では、トールボーイ型(床置き)にした大型のKX-1000や、高音質なネット配信の音楽を想定して高周波数に対応したKX-5が生まれている。

ちなみに密閉型としては同社の本シリーズだけでなくATC SCM19なんていうモデルが知られていて似たような価格帯にあり、こっちのほうが良いと言う人もいる。

本当はトールボーイ型スピーカーつまり床置き型のものが欲しかったのだけど、検討した結果やめた。というのも、部屋が狭くてあまり大きいスピーカーを置くと定位が定まらないんじゃないかと思ったのが一つ。大きいスピーカーはユニットが複数ついているので、あまり近くで聞くと音が別々の場所から聞こえてくるように感じてしまう。それにあまり大きいものを買うと引越ししたり処分したりするときに困るし重くて床が抜けないか心配になる。あと、先に言ったように私自身そんなに低音にこだわりがなかった。大きいスピーカーの利点はほぼ低音のためだけ、それも「包み込まれるような低音」みたいなのだけなので、要らないなら割り切ればいい。本当はB&W CM9やFostex G1302あたりを候補にしていたのだけどやめた。

私がネットで色々調べた限りだと、特に根拠はないけれど大体実勢価格二十万を超えるあたりからブックシェルフ型スピーカー(つまり縦長の直方体の形をした小型スピーカー)のコストパフォーマンスが落ちていくように思った。でもそのぐらいだとアンプがもったいないので、それ以上の価格帯のものを探した。本当は第一候補としてB&W 805シリーズが欲しかったのだけど、最新のモデルはツイーターにダイヤモンドを使用して値段がぐっと上がった割にネットの評判が賛否両論だったので手を出しづらかった。中古で805sあたりを買おうかとも思ったけれど、有名ブランドであまり値落ちしていなかったのでやめた。あとFostex G1300とかMonitor Audioとか、他にも好みに関係なく大幅に値引きされたモデルがないか探してみたけれど見つからなかった。

で、結局このモデルを選んだわけで、他のスピーカーと聞き比べたわけじゃないのだけど、このモデルにして良かったと思っている。低音の量感が少ないのがシステム全体の弱点だけど、それ以外の点で特に中高音の美しさに掛けてはかなり満足のいく具合になった。あ、あと音が冷たい感じ?でも変に暖かく色づけされちゃうと聴く音楽を選んでしまうし解像度が落ちてしまうので、これでいいのだと思う。事実上の上位モデルであるKX-5が出たことでこのKX-3Pも値段が落ちている。ただ、それでも依然として高い。下位のKX-3やKX-3Mだったら展示品が十二万とか十五万ぐらいで売られていることがあるのでそっちにしてもいいんじゃないかと思うけれど、KX-3Pと比べてどの程度落ちるのか分からないので勧めるところまではいかない。
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