| isai LGL22 |
スマートフォンの世界市場にかろうじて踏みとどまっている韓国LGエレクトロニクスが、auと組んで開発したモデル。グローバルモデルG2と良く似ていてディスプレイとCPUが同じでありながら、基本コンセプトがまったく異なる日本オリジナル。流行にあわせて5.2インチの大画面ディスプレイを採用し、スリープ中にタッチパネルをタップすることでオンにできるノックオン機能が特徴のほか、日本独自のUI（画面デザインと操作）になっている。
2013年11月に発売したのだけど、あまりに売れなかったのか2014年3月に投げ売りが開始され、MNP新規の一括0円で五万五千円のキャッシュバック付きで契約した。
フルハイビジョンと同じ1920×1080の解像度とQualcommの2.3GHzクワッドコアCPUはもはや各社のフラッグシップモデルとしてはあたりまえのスペックになってしまったのだけど、同等のスペックなのにメーカーによって操作感がまったく違うのがAndroidスマートフォンの恐ろしいところで、このLGのisaiはその中でも最上の使い心地で国産メーカーを圧倒していると思う。前に紹介した富士通のFJL22はもとより、かろうじて世界で戦っているソニーのXperia Z1も蹴散らし、世界王者SamsungのGalaxy S4よりも素晴らしい動きをしている。まあこのisai LGL22はS4とS5の間ぐらいに出ているせいもあると思うのだけど。
まず液晶がくっきりはっきりしている。有機ELを採用しているSamsungのGalaxyシリーズはまた方向が違うとして、液晶では感覚的に一番きれいだと思った。明度の設定が明るめになっているせいもあるかもしれないけれど。
タッチパネルの精度も素晴らしく、チューニングと合わせてツルツルの操作感を実現している。といってもAppleのiPhoneにはまだ及んでいないのだけど。
ユーザインタフェースもよく考えられている。設定画面の分かりやすさと使いやすさも素晴らしい。各社が縦長にズラズラと設定項目を並べているのに対して、タブで種類ごとに合理的に分けられていて、あまりせこせことスクロールさせずに目的の項目までたどり着ける。まあ最初はどのタブに目的の項目があるのか迷って結局全部のタブをたどっていたのだけど、それでも延々スクロールさせるよりスマートだと思う。
ただし看過しがたい欠点としてバッテリーの持ちが微妙に悪い。バッテリーの容量に問題はないので、たぶんチューニングにより画面がちょっと明るいかCPUをちょっと余計に使っているか、あるいは単にバッテリー容量の割に画面が少し大きいせいかもしれない。自分の場合、二日に一回の充電で済ませたいのだけど、使用時間次第で結構ギリギリだったり、足りなくなって一日に一回になることもたまにあった。
同じ日に契約した富士通のFJL22と比べると、テレビがワンセグしか見れない点が劣っている。また、FJL22と違って急速充電には対応していない。でもスマートフォンとしての基本がなにからなにまで勝っているので、少なくとも自分の使い方ではLGL22のほうがずっと優れていると思う。あ、防水じゃないのは雨の日に使っていてちょっと心配になる点ではある。
と褒めまくったこのLGL22だけど、いまでは机の引き出しにずっと仕舞われている。代わりに後継のLGL24を使っているから。LGL24は画面の解像度が2560×1440と一回り大きくなり、5.5インチの画面のおかげもあって描きこまれたマンガでも普通に読めるようになった。解像度が上がったせいで処理能力が余計に必要になったのか操作感が落ちているのが気になるのだけど、コンテンツビューアとして一段高みに登ったのだった。
これだけ素晴らしい機種で、テレビコマーシャルまで結構打っていたのに、なぜ日本では売れないのだろうか。やっぱり日本では国産ブランドへの信仰が強いんだろうか。それとも、日本のメーカーが重視する防水やフルセグ（地上波デジタル放送テレビ）なんかのほうが消費者ウケがいいからだろうか。いや、後継機のLGL24は防水でフルセグに対応したにも関わらずやはり売れなかった。店頭でちょっと使い比べてみればすぐにその差が分かりそうなものなのに。韓国の反日ぶりが消費者一般に浸透してきて韓国メーカーの製品が避けられているからだろうか。
LGは日本だけでなく世界シェアも大きく落ちていっているみたいなので、日本だけの特異性ではなく何か消費者を敬遠させるものがあるのかもしれない。マーケティングかセールスが悪いんだろうか。少なくとも製品開発においては素晴らしいと思う。LGはSamsungほど反日企業ではないので、Samsungはいやだという人も選択肢に出来るんだけど。
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