西友「偽装肉」返金騒動 こうすれば防げた! |
西友の豚肉虚偽表示による返金騒動を、リスクヘッジの専門家である筆者が分析し、こうするべきだったと書いている記事。
そのまえにこの事件について説明する。西友のどこかの店で、豚肉の産地かなにかを偽って販売していたことが発覚した。そこで西友側は賠償として、これまでに豚肉を買った人に対して、レシートなどの証拠なしに一人一律三万円を目安に返金をおこなった。ところが、返金を求める消費者が殺到し、豚肉販売額の三倍ほど返金したため、急遽返金を打ち切った。産経新聞の報道によると、若者の間で携帯電話などによるやりとりで、西友に行けばお金が手に入るという情報があっと言う間に広まったのだそうだ。
いやあ、なかなか愉快な事件だと思う。大企業が消費者を裏切った、なんていう定型の報道ばかりだったが、なんてことはない、消費者が一番タチが悪かったのだ。消費者を一括りにするなって? それは大企業だって同じだ。不正を働いたのは一部の企業だし、それも実際に不正を行ったのは一部の人間だけなのだ。
やっと本題に入る。さすがリスクヘッジの専門家。西友のとるべきだったやり方の一つに、とにかく返金しつづける、そのための費用は広告宣伝費のつもりで出す、そうやって「西友は愚直なまでに正直な企業です」というイメージを打ち出せたらそれはそれでいい、と提示しているのだ。恐れ入った。
と同時に思ったのは、リスクヘッジと企業倫理は必ずしも結びつくものではないということだ。たとえば、総会屋とかヤクザに脅されたとき、少額で済むなら金を渡した方がリスクヘッジになるのだ。不正はバレないなら隠す方がリスクヘッジだ。ほとんどのケースでは不正を公表し謝罪する方がリスクが少ないからリスクヘッジのイメージは良いが、極端な話、社員一人ぐらいなんとかしてしまうというのもリスクヘッジなのではないか。そう考えるととても恐ろしい。
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