だがしかし 5巻まで |
駄菓子屋の息子・鹿田ココノツは、マンガ家になりたくて日々作品を描いていたが、父親からは駄菓子屋を継ぐように言われていた。ある日、彼が自分のマンガの中で描いていた理想の美少女と瓜二つの少女・枝垂ほたるが店番中の彼の元にやってくるが、彼女はゴスロリ風の風体に似合わず駄菓子狂いの女だった。少年マンガ。
2016年にアニメ化されたのを見て、まあそれほど面白くはなかったのだけど、気楽に読めそうなので原作にも手を出してみた。
1話が基本的に8ページと短く、毎回なつかしの駄菓子を実名で紹介し、ギャグマンガなので適当にオチをつけて結んでいる。エキセントリックな美少女の枝垂ほたるが毎回ヘンなことばかりやって鹿田ココノツを驚かせたり魅了したりする。
ストーリー的には、枝垂ほたるは大手菓子会社の社長令嬢で、彼女は鹿田ココノツの父親ヨウの駄菓子のセンスを欲しがっているのだけど、協力するには彼の経営する駄菓子屋を息子が継いでくれないとダメと言うので、駄菓子屋を継ぎたくないココノツに継がせるために枝垂ほたるは駄菓子の魅力を日々伝えようとするのだった。
じゃあココノツは駄菓子についてよく知らないかというとそうではなくて、父親や枝垂ほたるに負けないほどの豊富な知識を持っている。だから駄菓子談義によりココノツが駄菓子をより好きになっていくという流れにはならず、話はほとんど進まない。また、ココノツは枝垂ほたるの特に豊満な胸とかに惹かれるのだけど、彼女があまりに変わり者すぎるのと、彼が非常に奥手なのとでロマンスも進まない。
ほかに近くで喫茶店を営む遠藤兄妹が出てくる。兄妹といっても双子で二人ともココノツと同学年。兄トウのほうはまさにココノツの悪友といった感じで、軟派な試みでココノツをリードしている。妹サヤのほうはココノツのことが好きだけど、ココノツが鈍感なのと彼女もまた奥手なので伝わらない。この二人は駄菓子に関する知識がないので、色々と教えてもらう役割を担っている。妹サヤはメンコとかベーゴマでビギナーズラック(?)を発揮する。
正ヒロインの枝垂ほたるよりもサヤのほうが人気があるらしい。八重歯がチャーミングでモジモジしたり照れ隠しで押し切ろうとしたりするところがかわいいんだと思う。自分もどちらかというとサヤのほうが好きかもしれないけど、枝垂ほたるの変人ぶりも結構好き。
年とったせいか新しい作品を読み始めるのがだんだん億劫になってきたので、たまにはこういう気楽に読める作品を挟まないと気力がなくて読めないから助かる。まあでも本当に面白い作品だったら読み始めたらすぐ引き込まれてグイグイ読めてしまうからそれが一番いいのだけど。
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