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サクラダリセット アニメ版 4話まで
住人たちがなにかしら不思議な能力を持つ空想日本の街・咲良田で、中学生の女の子の春埼美空は最大3日間の時を制限付きで巻き戻すことの出来る能力を持っていたが、怖くて自分の意志で能力を発動させることが出来なかった。そんな彼女の能力に目をつけた男の子・浅井ケイは、彼女を説得し自分の望む「善」のために力を行使させ、色んな事件を解決しようとする。SFアニメ。

2017年4月からアニメをやっていたのでとりあえず一話だけ見てみたが、異能力ものであることには期待できたのだけどなにやら面倒くさそうな話だったしそんなに惹かれなかったのでそのまま四年近く放置していた。そろそろ整理したくなったのでせめて三話までは見てみようと思って四話まで見たのだけど、やっぱり面白くなりそうになかったので録画を消すことにした。

異世界ものが流行る前は異能力ものが流行っていたんだなあと思った。荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」とか尾田栄一郎「ワンピース」とかだってそうだし。

この作品の魅力は、人それぞれ強い制限付きの能力を持っていて、一人では大したことが出来ないので協力して事件の解決にあたることだろうか。主人公の浅井ケイは過去の出来事を完全に思い出せる能力だし、彼の親友の中野智樹は好きな時間に(過去も未来も含む)好きな相手に音を届けるだけの能力だ。

ヒロインの春埼美空は最大3日間の時間をほぼ完全に巻き戻せるという一見すごい能力を持っているけれど、本人の記憶も巻き戻ってしまうし(!)一度巻き戻したら24時間以上経たないと再使用できないし戻りたい時間を「セーブ」しておかないとならない(なお「セーブ」は三日しかもたない)。そしてなによりこの能力を自分の意志で行使することを本人が良しとしていない。

能力と能力の組み合わせの妙とか、なかなか理解しあえない人間同士が対話を経て関係を築いた上で手を組んで事にあたるというところが話を面白くしている。と思う。

でもやっぱりいまいちだと思った。

一番の理由は、ヒロインの春埼美空が主人公の言うがままに行動しているところ。「春埼、リセットだ」と言われてそのとおりにリセットする。春埼美空がなぜ自分の意志で能力を発動しないのか、ちゃんと作中で説明されているし頭では理解できるのだけど、やはりなにか納得できない。こういう主体性のない女というのはそれだけで腹が立つ(!)。

短い尺にセリフが詰め込まれているからかもしれない。1話と2話はみんな中学生なのに理路整然とよどみなく対話する。気持ち悪い。視聴者を放っておいて登場人物同士だけ分かったような感じになって次々と話が進んでいくように感じた。しかも内容の濃い対話の裏でなにやら意味ありげなシーンが次々と現れる。脚本と演出とが噛み合っていない。新房監督が西尾維新「化物語」シリーズのアニメ化で対話中に訳の分からんふざけた絵を出すのも対話の邪魔をしないためだったのかと気づいた(笑)。

浅井ケイと春埼美空とが互いに好き合っているかもしれないということを唐突に確認しあう描写があるのだけど、何の感情もなく交わされる行為のなんと寒々しいことか。浅井ケイは親友とふざけあうぐらい明るいキャラなのになぜここまで感情を出さないように出来るんだろうか。春埼美空のことをナメきっているからだろうか。

この二人よりもさらに訳知り顔の相麻菫というショートヘアの女の子が出てくる(実際能力が訳知りなわけだけど)。二人を引き合わせたのも彼女だった。こいつが実は浅井ケイのことを好きみたいで露骨にさりげない(?)描写があってどう解釈すればいいのか分からなかった。で二話の最後で事件が起きる。結局なにも分からずに物語は二年後に飛ぶ。見事に置いてきぼりにされた。

好意的に解釈すると、こういう理知的な中学生や高校生たちが高度な対話をしながら事件を解決していくというのはかっこいいんだろうし、謎が謎を呼んだり「管理局」と戦ったりするところが魅力的なのかもしれないけれど、こうも自分に刺さらないものなんだなあと冷静に考えてしまった。自分が年を取り過ぎたからなのかもしれないけれど、実際この作品はまったくヒットしておらずサブカル好きからは無視されているように見える。

みんな能力を持っていて優劣があるのに平穏に暮らしているという時点でどこかウソくさい。読んでいてこの作品は作者が頭の中で考えているとおりにしか展開しないんだろうし(そりゃ当たり前かもしれないけど)、その作者の考えも知れている感じがした。

こんな紹介の仕方をしておいて言うのもなんだけど、こういうとがりかたをした作品が好きになれそうな人は見てみるといいと思う。自分もひょっとしたら原作を読んでみたら見方が180度変わるのかもしれない。
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