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銭 弐巻
お金をめぐる世の中の話を描く連作短編か。この弐巻では、ゲームセンターの話と同人誌やコミケの話が描かれる。

同人誌ってのは儲かるらしい。たった40ページの薄い本が千円で売れる。下手なプロより儲かるそうだ。同人サークルのヒエラルキーだとかのディテールも知らなければそれなりに興味深い。

私は同人誌だとかコミケに偏見を持っているわけではないと思う。ただ、やはりメジャーなルートで出版された作品のほうが、万人に向けて書かれているので分かりやすくて面白いし、何より安い。同人誌が好きな人というのは、自分のツボにぴったりハマる作品を探しているうちに行き着いたというケースが多いらしい。まあそもそもマンガなんてのもメジャーカルチャーではなく傍流なのだから程度の問題に過ぎないのだろう。女と車と食べ物だけの人生が面白いとも思えないし。

同人誌とかコミケなんていうのは、正直あまり興味のあるテーマではなかったが、登場人物とその世界がよく描かれていていい。

鈴木みそほどの画力があれば、いくらでもかわいい娘やかっこいい男を描けるのだが、ねちねちとさえない男を描いたり、美人からちょっとズレた女性を描くところが素晴らしい。物語が進むにつれてそれでもかわいく見えてくる。現実の世界もそんなもんだし。

ただ、前巻のほうがよかった。感動話になってたし。いや、今回は感動の質が違うんだろうな。最後にヒロインの女性がこぼす一言が、じわっとした味わいをもたらしてくれる。うーん。それでもやはり私は前作のほうが好きだな。前作のヒロインのほうがかわいいからってのが大きかったりして。鈴木みそがかわいさに全力を注いでできたキャラだと思う。一応この弐巻でも脇役として出ているので、ちょっと気になったら前巻も読んでみようね。
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