勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした 3巻まで |
勇者を召喚する儀式に巻き込まれ、勇者じゃないのに異世界に転送された大学生の宮間快人は、一年の期限付きでファンタジー風の異世界に滞在することとなる。これといってやることがなく、公爵家の客人として平穏な日々を送るはずだったが、彼のもとにはなぜかこの世界の実力者たちが集まってくる。ファンタジー小説が原作のマンガ。
テレビコマーシャルでこの作品が宣伝されていて、平和な異世界でどういう話が繰り広げられるのか少し興味があったので読んでみた。この手の異世界ファンタジーでありがちな「すごい人脈」の部分だけに特化したようないやらしい作品だった。
まず最初に主人公のもとに謎の中性的な美少女クロことクロムエイナが現れる。彼女は異世界でヒマしていた彼に魔法を教えてくれる。実は彼女は「冥王」と呼ばれるこの世界で有数の実力者であることが分かる。
こんな感じで次々と主人公のもとにすごい人たちが現れ、彼の人脈が広がっていき、まわりの人々は圧倒される。
主人公は12歳のときに事故で両親を失い、それ以来友達や恋人を作らずに生きてきた過去があるらしい。その割にそこそこ社交的で出会う人と仲良くなっていっている。なんだろうこの設定。彼の成長とかを描いていきたいわけじゃないのか。うーん。
登場人物はみんな色んなタイプがいて、それぞれかわいく描かれているのだけど、長期的にストーリー展開を期待させる要素が全然ないのでおもしろくない。勇者じゃない主人公は国王から邪険に扱われるのだけど、せいぜいパーティに呼ばれないぐらいだし、見返したいとも思っていない。また、この世界に来て特に差し迫った問題もなく、やりたいことも気晴らし程度。
ほのぼの系のお話ってことならそれでいいのかもしれないけれど、出てくる人物がみんなつかみどころがない上に極端な性格付けをされており、それぞれが強力な力を持っているという訳の分からない世界設定がベースになっているのでうんざりした。そりゃすごい友達がいっぱいできたら夢のような話だと思うし、そこに特化しているのは狙いとしていいのかもしれないけれど、これで楽しめというのは自分には無理だった。
まあでもハマる人にはハマるんだろうなあと思うので、気になったら読んでみるといいと思う。
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