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グランディア
正統派RPGとして大変完成度の高い作品。セガサターンで1997年に発売され、その後プレイステーションに移植される。

私がこの作品をプレイしたのは 2002年なので、もう発売から四五年も経っている。さすがに古さを感じさせる部分もあるが、それは文字表示の解像度ぐらいである。会話メッセージの文字表示はキレイだが、ひらがなとカタカナのアイテム名はオールドファッション。しかしグラフィックスや音楽は未だ色あせていない。

1997年というと、あのファイナルファンタジー7が発売された年でもある。ファイナルファンタジー7は、RPGを 3D にした作品だと言われているが、開発元のスクウェアのポリシーなのか、グラフィックスにこだわった結果として背景を 2D の静止画として既にレンダリングされたものを使用していた。ところがこのグランディアは、背景を完全に 3D にした本当の 3D RPG であった。スクウェアはその次の 1998年にフル 3D の RPG ゼノギアスを出しているが、この作品はあまりに視界が悪く、3D としての完成度がとても悪かった。それだけにこのグランディアの完成度の高さは光る。

ストーリーは、明朗活発な男の子ジャスティンを主人公に、幼なじみの女の子スーと一緒に、冒険がしたい!というごくごく子供っぽいシーンから始まる。それがどんどんエスカレートしていき、ついには少年が家を出て船で旅をするところまで行ってしまう。このあたり、展開が非常にスムーズで素晴らしい。

冒険は知らず知らずのうちにどんどん本格化していく。幼なじみのスーではなく、本当のヒロインが途中参加してくる。次々と仲間と出会い、そして別れてもいく。冒険の旅がここまで気持ちよかった RPG は私のプレイした中にはない。最高、だと言って良いだろう。

序盤から後半まで非常に小気味のいいストーリーで楽しませてくれるのだが、その後、最後の敵につなげるところでストーリーが乱暴になっていく。一つの巨悪にすべてを収斂させるのは仕方がなかったのだろうか。終盤は使命感を帯びた暗めの展開になる。終盤はむしろこの素晴らしい作品を盛大に終わらせるために作られた大花火で、このゲームの楽しみは途中の冒険にあると思う。

戦闘システムも最高。ドラゴンクエストがいつまでも伝統的な戦闘システムそのままに、ファイナルファンタジーはアクティブタイムバトルなるリアルタイムに待機時間がまわってくるシステムを採用しているのに対して、グランディアはさらにそれを押し進めて、戦闘画面における各キャラクターの立ち居地や戦闘空間が重要な要素となっている。友人はこの戦闘画面を見てアクションゲームだと勘違いしたようであるが、これはあくまでコマンド入力式のシステムである。私が見た中でもっとも完成度の高い戦闘システムだろう。

呪文や技の覚え方も、分かりやすい上に奥行きもあり、育てがいのあるシステムとなっている。これも私が知っている中でほぼ最高だろう。難を言えば、アイテムをあまり有効に使いこなすことが出来ない点だろうか。

キャラクタの顔などのアニメーショングラフィックスも非常に完成度が高い。セリフにあわせて、何パターンか用意されている顔グラフィックスが変わる。とくにヒロインのフィーナのグラフィックスは私好みで魅力的である。重要なシーンでは音声も用意される。アニメ絵なので当然アニメ声優を使っているので、好みの問題もあるだろう。

悪い点があまり見つからない。本当にかなり良いゲームである。

ただし、基本的に対象年齢の低い作品である。子供向け、と言い切ってもよさそうである。ストーリーは非常に単純である。込み入った点はまったくない。ストーリーに関しては、子供向けの作品を大人として楽しめる人でなければ、この作品を味わうことはできないだろう。

ちなみに、私の総プレイ時間は 60時間ちょっとであった。
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